【書評】累計6千万部カリスマ・ラノベ編集長が赤裸々に語るヒット論

 

僕の考える、小説読者としての一番の快感とは何か。自分の大好きな作家や作品の新作を読むことは、喜びに満ちた素晴らしい時間です。「約束された面白さ」を享受されると安心できますし、心地よい快感があるものです。しかし僕は、最速最大ともいえる鮮烈な衝撃と快感が訪れるのは──カバーイラスト、あらすじ、タイトル、口コミ、きっかけはなんでも構わないのですが──自分の感性にビビッと来た新作を思い切って購入し、それが結果「当たり」だったときだと思っています

作家と新作の小説の打ち合わせをする際、僕は「書き始める前の準備」として、必ずその小説の「家訓」を決めています

「家訓」を決めるのに最も重要なカギとなるのは、その作家自身の「性癖」

人間は、自分の知らない世界を覗いてみたい願望を必ず持っています。自分とは縁もゆかりもない、ともすれば知らずに一生を終えたかもしれない未知の世界に「面白く楽しみながら」触れることができれば、人はよりいっそう惹きつけられます

「現実世界の自分はそうはなりたくないけど、この冒険は楽しみたい」というのが娯楽の根本的な考え方

面白い作品の主人公は、かならずと言っていいほど、相反するかのような二面性を持っています

キャラクター設定を決めるときには、まず「ギャップ」を決めます。ビジュアルでも性格でも異能の力でも構いません。「◯◯な人が××だったらかっこいいな」「◯◯な性格なのに、××な能力があったら面白いな」という感じで、「◯◯なのに××」を自由に発想してください

良い文章は説明を説明と思わせないということです。主人公の躍動感あるアクションシーンを読んでいたら、気づけばその作品に必要な知識が得られていた……などが良い文章の証です

「売れる、売れない」が「面白いか、面白くないか」でもないとすれば、一体なにで決まるのでしょう。僕は、その作品に触れた人の数で決まると思っています

期待を裏切らず、不安を裏切れ 

ラノベファンに向けたコンテンツもたくさんありますが、ヒットメーカーとして知っておくべき視点、原理もたくさん盛り込まれています。

 著者、編集者、マーケター、コンテンツを生業にしているかたは、ぜひ読んでみてください。

image by: Shutterstock

 

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著者はAmazon.co.jp立ち上げに参画した元バイヤー。現在でも、多数のメディアで連載を抱える土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介する無料メルマガ。毎日発行。
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