それでも学校を信じますか?いじめ被害者が綴る信じ難い教師の対応

 

そのほか、保護者が学校にいじめを相談していたのに、子供が自殺した後、「いじめはありません。保護者からも本人からもいじめの相談はありません」とマスコミに話す学校、子供が死亡したのはいじめではなくて、虐待が原因だったという噂が流れたケースなど、考えられないような対応が学校現場で行われていることが、この書籍には記されています。

これは実際に起こったことなのです。報告書に嘘を書いたり、生徒や保護者に口止めをしたり、嘘の風評を流したり、マスコミに全く違うことを話したりしています。このように学校には根深い隠蔽体質があります。

私たちへの相談でも、いじめが発覚すると対外試合に出られなくなるからと被害者を黙らせる学校、マスコミには「謝罪する」と答えているのに、実際にはまったく連絡してこない学校など、同じようなケースが少なくありません。いじめは解決しないし、いじめ被害者の子供も保護者も「まさか教育者がこんなことをするなんて」と、学校の態度自体に傷ついています

残念なことですが、「ひどい学校」ではそういうことも起こりうるのだと知ったうえで対策をとることも必要ではないでしょうか。学校に行く子供にICレコーダーを持たせる、保護者が学校側と話し合う際には必ず録音するなど、被害者側が証拠を残すことで学校側の隠蔽に対抗する手段をとることも必要です。さらに、学校事故に対する刑事司法の限界、教員に対する懲戒処分の軽微さなど、現在の学校を取りまく状況は極めて残念であると感じています。

本書を通じて教育現場の実態を知ることがお子さんを守ることにつながると思います。子供たちの悲劇を繰り返さないために、学校関係者、保護者など、多くの方に読んでいただきたい1冊です。

ただ、書籍を読んでいても、実際にいじめなどに遭遇するとわからないことも多々出てきます。いじめは「早期発見早期解決」が大切です。「いじめかな」と思ったら、ご遠慮なくご相談下さい。

いじめから子供を守ろう ネットワーク 松井・井澤

image by: Shutterstock

 

いじめから子供を守ろう!ネットワーク
「いじめ」と学校の「いじめ隠ぺい」から、子供たちを救うための、父母によるネットワークです。いじめの実態やいじめ発見法、いじめ撃退法、学校との交渉法、いじめ相談などを掲載します。
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