それでも学校を信じますか?いじめ被害者が綴る信じ難い教師の対応

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様々な対策が講じられてはいるものの、一向に減る気配のない子供のいじめ。その現場となっている学校では、被害者・加害者にどのような対応が取られているのでしょうか。無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』では1冊の本を紹介しつつ、教育の場の問題点をあぶり出しています。

 問わずにはいられない 学校事故・事件の現場から

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昨年秋に出版された、書籍「問わずにはいられない 学校事故・事件の現場から」(田原圭子編、あうん社刊)を紹介いたします。この書籍は、学校でのいじめや事件・事故で最愛のわが子を失ったり、深刻な被害を受けた家族たちの手記をまとめた文集です。学校等の事故・事件を通じて知り合った被害者・遺族21家族が、それぞれの思いをつづっています。

筆者であるひとりの父親は、「子は、親は、どんな思いを抱くのか。当事者だけが語れる、たくさんの教訓や知恵や愛、そして深い哀しみにあふれた本です。今、同様の悩みを抱えておられる方への共鳴や、教育現場に対する示唆など、社会的な意義も少なからずあるのではないかと思っています。1人でも多くの方に読んでいただきたい。それが私たちの願いです」と語っています。

本書では学校の対応の問題点が浮き彫りにされています。小学5年生の男児が、同級生13人から脅しや暴力を受けるなどして、56万円余りの大金をゆすり取られた事件では、なんと学校は、「いじめ・恐喝はなく、カネは配られたものだ」と、あたかも被害側が悪いかのような風評を流しました。さらに学校側は「被害者当人から聞き取りができなかった」などとし、いじめはなかったという報告書を裁判所に提出しました。

柔道の部活で中3男子が柔道部顧問から何回も投げられ、さらに気管を絞められて失神させられた結果、高次脳機能障害という重篤な後遺症が残った事件では、学校は、「柔道部と傷病の間には直接の関係はないと保護者から聞いている」という信じがたい虚偽の事故報告書を教育委員会に提出しています。

バレーボール部の夏合宿の練習中、高1女子が熱中症で倒れて意識もなくなり、失禁し、硬直も始まっているのに、部活顧問は無視して練習を続行し、手遅れになったという事件も報告されています。救急隊員が来た時には瞳孔が散大し、病院に運ばれた際には心肺停止状態で生徒は死亡しました。学校側は他の部員たちに、「生徒の母親に見せるため」と言って目撃したことを書かせましたが、そのメモは母親に渡さずに、「このことは一切外部に話さないように。母親がそう望んでいるから」と偽って、口止めしました。さらに、「母親が部員たちに対して怒っているから会いにいかないように」と嘘を重ね、部員たちから遺族に事実が伝わらないように画策しました。後に部員たちのメモの存在を知った遺族側が、メモの開示を何度も求めたのですが、学校は開示をしぶり、ようやく開示された部員たちのメモはすでに学校が手を加えたものでした。

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