民主と維新の合流にシラケた空気。「新党結成」なぜ盛り上がらない?

 

「顔」を意識した政治

この当時新生党党首の小沢一郎氏も随分力を発揮し、第1党党首であった小沢氏が党首になれたのだが、自分が首相候補に出るより細川氏を首相候補に出した方が国民の人気が出るだろうとの施策があった。つまり「顔」を意識し、小沢氏の政治顔に対し、細川氏は元新聞記者で熊本のお殿様の直系で、お金持ちで卑しさがなくカッコ良かった。APECの総会でマフラーをたなびかせる姿はカッコ良く、日本の首相も変わったなという印象だった。それまでの政治家はずんぐりむっくりであったが、背が高くようやく日本にもヨーロッパ人と並んでも見劣りしない政治家が出てきたなという感じがあった。

「視える政治」カッコイイ政治家へ

また、記者会見のときにはボールペンで「はい、君。はい、君」とさすようなカッコイイところもあり、やはり政治家はカッコよくなきゃいけないなという雰囲気を出した。この時に「視える政治」というスタイルを確立し、これからはそこを意識しなくてはならないというようになった。

この時は細川氏のイメージ戦略と当時に、共闘ビジョンがきちんとあった。野党共闘してクリーンな政治をやるんだと言ったのだが、細川氏は突然「国民福祉税」と言い出し、バックに小沢氏がいることが見えてきたため野党が分裂して結局つぶれていくのだが、今回の野党の結成は果たしてこれまでのようなものになるのかどうなのかということを考えると難しいように思う。

「顔」をきちんと作れるか?

話を戻して民主と維新の合流に関しては、議席数も多く、大きなビジョンを出して、「をきちんと作っていけば案外国民も期待するということはあるだろう。「アベノミクスに期待しない」という人が過半数を割る所まで来ている上に、さまなざまスキャンダルがあるにも関わらず野党はそこにつけこむことが出来ない状況。そこからも野党共闘のうまさが出ていないというように思う。これは何かというと政策ビジョン国家ビジョンがはっきりしない。それをやるならダブル選挙をやってつぶしてやるぞという安倍首相の脅しに対してなんとなく弱腰。さらに、野党共闘で誰が顔になるのかというが見えず、岡田氏なのか松野氏なのか、もう少し新たな清新な顔が出てこないと国民的な人気が出てこないように思う。

迫力不足

共産党は1人区の大半で候補を取り下げるという事を言っているが、これらの働きかけに対してどこまで野党共闘が進んでいくのかが見えない所に迫力不足を感じる。共産党と一緒になるのは嫌だという声があり、せっかくの共産党の申し出をつぶしている。カリスマ性のあるいい顔を作るということが大事だと思う。

(TBSラジオ「日本全国8時です」3月1日音源の要約です)

image by: Wikimedia Commons

 

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