歴史は復讐する。中国がしたたかに進める「沖縄支配」という脅威

 

しかし、中国は、アメリカよりマシなのか?

「アメリカは悪いことをたくさんしている」

これは事実ですが、だからといって、「中国は善である」という話にはなりません。ならないですよね? どうですか?

正直いうと、日本には、「アメリカは諸悪の根源。(だから?)中国は善である」という人が、多いです。「自主派」「自立派」といいながら、実をいうと「親中派」という人がとても多い。

そして彼らは、「日本は中国に悪いことをした」と、日本の過去を攻めます。こういう人たちは、「人権」とか、「戦争反対」とかもっともらしい言葉を口にしている。

一方で

  • 中国は、虫も殺さぬチベット人を120万人虐殺した
  • 中国では、文化大革命のとき、40~1000万人(諸説あり)が殺された
  • 中国では、大躍進政策の失敗で、2000~5000万人(諸説あり)が餓死した
  • 中国は、ウイグルで46回も核兵器実験を行い、ウイグル人を大虐殺した

これら衝撃の事実は、「完全にスルー」します。「安倍は独裁だ!」と叫ぶ一方で、中国が公式的に「共産党の一党独裁」である事実は、完全に無視する。それどころか、中国に「言論の自由」「信教の自由」「結社の自由」など「基本的人権」が「全然ない」ことを見事に無視し、「これからは中国の時代。日本も乗り遅れるな!」などというのです。

中国に比べれば、アメリカは「まだマシ」という証拠

実際、第2次大戦後、日本は「アメリカの支配下」に入って、「まだマシ」でした。証拠もあります。

戦後アメリカの支配下に入った、日本と西欧

共産ソ連の支配下に入った、中国と東欧諸国

「政治は民主主義」「経済は資本主義」のいわゆる西側諸国は、共産国家群に比べ、比較的自由であり、国民も豊かさを享受できるようになりました。

一方で、「政治は共産党の一党独裁」「経済は全部国営の計画経済」だったいわゆる東側諸国。

まず政治的には、しばしば「自国民の虐殺」が行われた(例、スターリンのソ連、毛沢東の中国、金日成の北朝鮮、ポルポトのカンボジア)。

経済的には、西側諸国に決定的に遅れ、貧しい生活を強いられた。私は、モスクワにソ連末期から住んでいます。だから、当時の経済状況を知っています。90年代の初め

  • 首都モスクワでも自動車は少なく、道路はいつもスカスカ
  • テレビは白黒が多い
  • ビデオがある家はほとんどない
  • 洗濯機がない家も珍しくない

こんな状況だった。私は、モスクワの庶民の暮らしを見て、「こりゃダメだ」とすぐ思いました。

西側諸国の方が「マシ」である、明らかな例もあります。そう、アメリカに支配された韓国と、ソ連、後に中国に支配された北朝鮮の違い。もともと北朝鮮と韓国は同じ民族なので、いいサンプルです。

アメリカに支配された韓国の、1人当たりGDPは、2万8100ドルで、世界31位(2014年))。

一方の北朝鮮、公式統計はないものの、韓国統計庁の推計で、2010年1074ドルとなっています。

「どう考えてもアメリカに支配された韓国の方が豊かで自由」であるといえるでしょう。

中国は、1978年まで「ソ連経済」の真似をして貧しく暮らしてきた。しかし、賢い鄧小平が「日本経済を真似る」路線に転換し、急成長がはじまった。そして、現在では、GDPも軍事費も世界2位になっている。

しかし、「共産党の一党独裁国家」「世界有数の人権侵害国家」である「政治面」は変わっていません

>>次ページ 中国は日本に対して何を「画策」しているのか

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