「老後は夫婦でゆっくり旅行でもしながらのんびりと過ごそう」
そんなふうに考えている人も多いのではないでしょうか?
これまでは、長年連れ添った夫婦が、子どもの自立や定年退職を機に、夫婦水入らずの一緒の時間を過ごすというのが、理想的なあり方だとされていました。
ところが最近では、夫婦で別々にそれぞれの人生を楽しむ「卒婚」というスタイルが受け入れられてきています。
いったい「卒婚」とはなんなのでしょうか?
また、なぜそのようなスタイルを望む人が増えているのでしょうか?
籍は入れたまま…「卒婚」って?
「卒婚」とは作家、杉山由美子さんの著作「卒婚のススメ」から生まれ、一般的に浸透してきている新語です。
「卒婚」とはいったい何なのでしょうか?
結婚を卒業してお互いに自由に生きること
「卒婚」と聞くと離婚と似たようなイメージを思い浮かべる人も多いでしょう。
「卒婚」は籍を入れたままでお互いに独立した人生を歩む新しい結婚の形態のことを言います。
「結婚」というと「夫が仕事」「妻が家事」など、互いの役割が明確に決められることが多く、どちらか一方が我慢する結果になりがちでした。
「卒婚」は、これらの役割から離れ、それぞれが独立したうえで、自分のやりたいことに自由に取り組んでいく新しいライフスタイルの形式です。
同居しても別居しても仲良し
結婚の形式にとらわれない「卒婚」は、セカンドライフとして片方が田舎に隠居するケースもあります。
月の半分を実家や海外で過ごし、もう半分を一緒に過ごすなどお互いの生活を行き来することも。
同居していても別居していても夫婦が仲の良いことに変わりはなく、お互いに気を使うことや干渉し合うことをしないのが特徴です。
亭主関白の夫をもつ妻は「卒婚」を望む傾向が強い?
株式会社リンクルハウスが既婚女性200名を対象に「卒婚」に対して調査したところ、平均して56.8%の妻が「夫といつか卒婚したい」と回答しています。
半数以上の妻が「卒婚」に対して前向きな気持ちを持っていることがわかりますね。
さらに、住んでいる場所によっても「卒婚」に対する姿勢に違いが見られます。
「卒婚」を希望する関東地方の女性の割合は58.2%。四国地方に住む既婚女性の「卒婚」を希望する割合が30%なのに対して、九州地方では64.7%、中部地方にいたっては65.5%の妻が「卒婚」を望んでいます。
中部地方や九州地方には自立した考えを持つ女性が多いことや、亭主関白の夫をもつことも理由のひとつかもしれません。
「卒婚」したい年齢は60代!
また、何歳で「卒婚」をしたいかという質問に対して、60~69歳という年齢をあげた既婚所伊勢が59%にのぼりました。
60歳や65歳はちょうど夫が定年退職をするタイミングと同じです。
仕事を終え、ひと段落をしたあとに、「卒婚」を望む妻が多いことがわかりますね。
老後は田舎で暮らしたい夫と、都会に住み続けたい妻。
またひとりの時間がほしいという妻など、「卒婚」を望む人には様々な理由があるようです。
また、一度離れることで、お互いのことがもっと大切に感じられるといったメリットもあります。
個々の生活を充実させるからこそ、お互いのことがいっそう魅力的に見えてくるのかもしれません。
執筆:Mocosuku編集部