【書評】「業界のことなら任せろ」という人がヒットを飛ばせない理由

 

出典は、最近読んだこの本です。
  
多くの人気番組を手がける放送作家・鈴木おさむ氏の著作。実例を交えた企画の発想が数多く掲載されています。

71HQl7asy0L

新企画』(鈴木おさむ 著/幻冬舎)

その業界で何年も経験を重ねていくと、「その業界のことならなんでもわかっている」という意識に陥りがちなのですが、わかっているのは自分たちの中のことだけであり、その外側のことはまったくわかっていません。

しかし、お客様や取引先は別にその業界の中で生きているわけではなく、業界の外の時代の流れの中で生きているわけだから、自分たちよりはるか先に進んでいたりします

だから、自分の業界の中の人間とだけ話していると、どんどん時代に追い越されていって、お客様が求めている「今の常識」がわからなくなっていき、まともな新製品や新企画が生まれてこないのです。

他業界から来た人が既存の業界をぶっ壊していった、という例がたくさんありますが、これは他業界の人間が強いということではなくて、他業界の「今の常識」を持てない既存の業界人が弱い、というだけのことなのです。

そんなことにならないように、自分とはあまり直接関係のない職業や年代の人でもどんどん積極的に会っていき、自分の業界の外に流れている「今の常識を積極的に吸収していかなければならないのです。

でも、この時に気をつけなければならないのは、そういう情報を得るのは、現役の人渦中の人でなければならないということです。

情報を得たいと思った人がよく会いに行くのが、セミナー講師だったりコンサルタントだったりします。でもそういう人は大抵、過去の実績で食っている人で、情報がその過去の実績の時代の話であることが多い。「今はこういう時代らしいけど」と、「今の常識」を自分と同じ客観的目線で見ているだけ、というケースが多々あります。

だから、「その業界をよく知る専門家」ではなくて、今でも現役でその業界の第一線を走っている人、「若者世代のことをよく知る有識者」ではなくて実際に今その若者である年代の人たちと話すのです。

そうやって貪欲に、自分の業界の外にある「今の常識」を吸収していくことで、自分の業界に新しい風を吹き込み、今の時代に即した新商品や新企画が生まれるのです。

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)————-

  • 自分たちが恐らく直接一緒に仕事をすることはない、これからほとんど会うこともない、と思われる職業、業界、または属性をノートに4つ、列挙する。
  • それらの世界の人と会うことになった時に、どのような情報が欲しいか、ノートに書く。

image by: Shutterstock

 

ビジネス発想源』(無料メルマガ)
<まぐまぐ大賞2015・総合大賞受賞> 連載3,000回を突破した、次世代を切り拓くビジネスパーソン向けの情報メディア。
<<登録はこちら>>

print
いま読まれてます

  • 【書評】「業界のことなら任せろ」という人がヒットを飛ばせない理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け