福山雅治マンション侵入事件、悪いのはコンシェルジュだけなのか?

 

私は、本で読んで感銘した齋藤一人さんの言葉を思い出しました。

誰にでも、魔がさすということがあるのだから、相手のためを思ったら魔が差すような隙を作らないことが愛なんだ、お金や鍵のような重要なものを相手を信頼して全面的に任せるというのは決して愛がある行為とは言えない…、つくらなくてもいい犯罪者を生んでしまうことにもなるのだから…と。

で、斉藤一人さんは、経理担当の社員を信頼して大切に思っているからこそ、絶対に不正をしようがない、魔が差しようがないシステムをつくったといいます。誰にでもある弱さ、魔が入り組む隙がないようにするのが相手に対する愛なんだと。

「お金」や「鍵」や「印鑑」というようなものには、ものすごいエネルギーがあり、エネルギーがあるところには「魔」も入り込みやすいのです。「信頼して任せた」というのなら、もし、裏切られたとしても任せた自分が悪いのだという覚悟を持て…と。斉藤一人さんの話はそのような話だったと思います。もし、福山さん側が鍵を預けるという行為をしなかったら、起こらなかった事件なのかな…と。

吹石さんはそれは怖かったでしょうし、もちろん、福山さんや吹石さんが悪い訳ではありません。でも、ファンにとって、その人の自宅を見たいと思う誘惑はものすごくいエネルギーなのです。鍵がそこにあったら駆られる人がいることは、十分考えられることですから、自分たちの身を守るためにも、「鍵を預かってほしいと言ってはいけなかったのでは…と。

今後、管理会社でも、専有部分の鍵を預かってはいけないというルールがより徹底されるでしょうし、住民から鍵を預かってほしいというようなこともぐっと減ると思いますが…、私の脳裏には、会社からは絶対に専有部分の鍵は預かってはダメだと言われていても、やむを得ない事情で断れずに会社には内緒でそっと鍵を預かっている管理員さんの顔が浮かびます。

一人暮らしで健康不安を抱えていて、万が一のときにすぐ鍵を開けられなければ命にも関わる状況の方からのお願いや、鍵をすぐなくしてしまう認知症の症状が出ている高齢者の親族に鍵を預かっていてほしいと頼まれるようなケースです。

今後、人助けのためでも、どんなに頼まれても、鍵の預かりは断っていくことが徹底されると思います。その前に、住民は、どんな事情があろうと、「鍵を預かって」と管理員さんに言うのをやめたいと思います。

心やさしい管理員さんほど断れなくて、鍵を預かっていないことで、もし何かあったらと苦しみますから。

image by: Wikimedia Commons

 

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