日本車はもう売れないのか? 世界のクルマ産業における日本の「現在地」

日本車はもう売れないのか? 世界のクルマ産業における日本の「現在地」
 

日本は46年前から生産量世界第2位の自動車大国だった!?

自国内に有望な消費市場があるかどうか。これはサプライチェーンに幅広い裾野が必要な自動車産業が発展する上でなくてはならない条件だ。ビジネスとして回って行かないことには生産の質も量も維持することが叶わない。実は日本が世界に冠たる自動車大国になった背景には、1億余の人口があり、工業化の進捗に見合うだけの購買層が市場を拡げて行ったからだ。

内需拡大に伴う技術力の向上が日本車の国際商品としての基礎になった。自前の優れた走行環境(インフラ)の不備と最大の輸出相手国アメリカとの貿易摩擦の結果が現地生産化を加速させ、その経験が国内生産の1.5倍を需要地で賄うグローバル化に結びついた。

対照的なのは自動車発祥の地とされるドイツ。技術的には戦前からのアウトバーンの整備もあって世界が目標とする高性能の指標とされたが、その国際化は思いのほか遅い

1970年代の石油危機と排ガス規制で苦しんだ日本が、得意の小型車とエレクトロニクス技術の積極導入によって急速に力をつけた頃。冷戦構造下で東西に分断された旧西ドイツ時代(1970~1980年)の自動車生産台数は390万台/年たらずで推移する。日本は1970年の段階ですでに530万台、1980年には1100万台規模に達していた。

日独の差は、冷戦の終焉とEU統合による欧州市場の自由化で2000年には2(約1000万台)対1(約500万台)となり、現在は日本各社の消費地生産の急伸によって大体10対6の比率で推移している。

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