背水の陣を敷く。目標を実現させるためには言葉にした方がいい理由

 

次に2つ目の効用です。人間は、世の中の森羅万象をすべて知覚しているわけではありません。自分の興味や関心に応じて世界を組み替えて見ています。

目標を意識して、アンテナを張っているときは、目に見えたり聞いたりすることのうち、目標に関連するものが浮き上がって見えたり、耳に見入ってきます。目標達成のために有益な情報が知覚されるようになるのです。

そして、3つ目。目標を人に伝えていくことも重要。人は、他人に言ったことは守ろうとします。もっとわかりやすく言うと「他人に宣言してしまったので、やらないと恥ずかしい」という気持ちが生まれます。それが、自分を動かすことになるわけですね。

最後ですが、人に自分の目標を知ってもらうことで、他者が達成の後押しをしてくれることもあります。励ましてくれたり、達成のために必要な情報を教えてくれたり、手助けしてくれる人を紹介してことがあるのです。

言葉にして他人に伝えていかないと、他人には伝わりません。私たちのことを助けようと思っても、助けようがないわけですね。

しかし、言葉にして伝えると、「ああ、この人は●●がしたいのか。そういえば、私の知り合いに、●●さんがいるな。二人を引き合わせると、二人の役に立てるかもしれない」と、誰かを紹介してくれるかもしれません。

目標を言葉にすることの効果が多岐にわたることがわかりますね。昔から言い古されてきたことですが、やはり、目標は、それを言語化する効用がある、ということだと思います。

「われわれの計画というのは、目標が定かでないから失敗に終わるのだ。どの港へ向かうのかを知らぬものにとっては、いかなる風も順風たり得ない」 セネカ

今回は、ここまでです。

image by: Shutterstock

 

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