生でも、焼いても、茹でても美味しい食材、「卵」。しかし「コレステロールが高いから1日1個以上食べてはいけない」なんて話をよく聞きますよね? ところが、その指導はどうやら間違いというのが最近の通説なんだそうです。 メルマガ『森の診療所から始める 旅こそアンチエイジング』の筆者・宮田恵さんは、卵のもつ驚きのアンチエイジング効果を紹介。卵好きな方はもちろん、そうでない方もどんどん卵を食べよう!と思いたくなること間違いなしです。
コレステロールを気にするあまり卵を食べていないという「非アンチエイジング行動」
長い間、コレステロールが多いから卵は1日1個まで、などという指導がなされていました。 これまで何度もお伝えしてきましたが、コレステロールは肝臓でアセチルCoAから作られますので、摂取基準なるものも現在、存在していません。
卵白は機能性タンパクとして研究が進んできました。
もともと蛋白質は生体の主要な構成成分のひとつであること、生体内で酵素やホルモンとして代謝を調節したり、物質輸送や生体防御などにも関与するなど、とても大切なものです。
1.卵白たんぱく質のコレステロール代謝改善効果
卵白タンパク摂取によりLDLコレステロール低下、HDLコレステロールを上昇させるという。 機序は完全に解明されていませんが、ある種の卵白ペプチドがコレステロール分解系を活性化するとの報告があります。
2.卵白タンパク質の体脂肪低減効果
ヒトにおいてもマウス実験においても12週間卵白たんぱく質8g/日を摂取させたところ、内臓脂肪が優位に低減したと。 この機序のひとつに骨格筋におけるカルニチンパルミトイル転移酵素が活性化し脂肪燃焼効果が上昇したことが推察されています。
3.卵白たんぱく質の骨格筋に対する効果
これまでもホエイタンパク質がアスリートの間でも骨格筋の増強作用があるとされていました。 アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシンといった分岐鎖アミノ酸が多く含まれ、これらは骨格筋の構成成分であること、またロイシンが菌タンパク合成系のシグナルを活性化させるためとされています。
さらに運動時に卵白たんぱく質を摂取することで、酸化ストレスマーカーや炎症マーカーの低下が認められるとの事です。
以上のことから、高齢化していく自身の身体(骨格)を維持し、サルコペニア、ロコモティブ症候群の予防のためにも身近な卵白は強い味方です。
ちなみに食品業界、製菓部門では圧倒的に卵黄が使用されて、残った卵白は着色されて卵黄として具材になるとか。
別の利用法を食品業界も気づいてほしいですね。
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