シニア世代こそ「ポケモンGO」 を。若さの秘訣はゲームにあり?

2016.07.27
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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先日、ついに日本国内での配信が始まった「ポケモンGO(Pokémon GO)」。

これまで連日のように、海外で「ポケモンGO」に熱中する人々の姿をニュース番組などで目にしてきました。

老若男女、スマホを片手に公園内などを右往左往する姿に、驚いた方も多いでしょう。

そして今では、我が国でも同じ光景が広がっているようです。

ゲームをすることへの賛否両論は、1980年代にTVゲームが登場した当時から聞かれるもの。

しかし近年では、「高齢者の老化防止効果があるのでは」と注目されているようなのです。

理容師の加三 清さん(79、2015年当時)がその当時熱中していたのは「ダークソウル2」というゲーム。

このゲーム、反射神経を求められ、敵をおびきだす、遠距離・近距離攻撃を使い分けるなどの戦術も必要です。コントローラーを巧みに操りゲームを楽しむ姿に、「若さの秘訣」「すばらしい人生」「頭がしっかりしている」といったコメントが、遠く海外のユーザーから多数寄せられ、当時は話題になりました。

ゲームの影響を調べる実験が行われる

 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校のアダム・ガザレイ博士をはじめとする研究チームは、ゲームが高齢者の脳にどのような影響を与えるのかを調べ、研究成果を英科学誌「ネイチャー」2013年9月5日号に掲載しています。

ガザレイ博士らは実験用に「ニューロレーサー」という3Dカーレースゲームを開発しました。このゲームでは、ただ運転するだけでなく、運転中に画面上に表示される数種類のサインに素早く反応して消去する操作を行います。つまり、同時に複数のことがらを処理する「マルチタスク能力」が求められる設計となっているのです。

この実験に参加したのは60〜85歳の46人。4週間かけて計12時間にわたって「ニューロレーサー」をプレーしました。その後、注意力や集中力を測定したところ、20歳よりも優秀な成績だったといいます。

その効果は、半年後も持続していました。一度活性化した脳の機能が日常生活の中でも生かされ、衰えなかったとも考えられます。

ガザレイ博士は、「テレビゲームは万能薬ではない」と注意を促してもいますが、ゲームに脳の機能を活性化する一定水準の働きがあることが確認されました。

脳の老化を防ぐ「やる気」と「達成感」

 脳の中で老化によって最初に委縮するのは前頭葉です。前頭葉は自発性(やる気)や感情に関わる部位として知られています。

脳の老化というと真っ先に思い浮かべるのは「物忘れ」かもしれませんが、それだけではなく、物事に積極的に挑戦するためのやる気や、何かを達成したときに感じる感動が乏しくなる、というかたちでの脳の老化が進むことが多いのです。

ゲームに熱中する男性は、ゲームの中での展開をイメージし、戦術を練り、その成功によって大きな達成感を味わっていたと考えられます。前頭葉が委縮していたら、このような行動は見られなかったはずです。

また、イメージ通りにプレーできたときの喜びは、快楽ホルモンであるドーパミンの分泌を促し、記憶力にも良い影響を与えてくれます。ゲームが「若さの秘訣」になる可能性は十分にあるといえるのではないでしょうか。

執筆:Mocosuku編集部

 

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