孫正義率いる米スプリントが9年ぶりの黒字。海外メディアの反応は?

 

経済コラム

さて、孫さんがいくら「自信ありますっ!」と言っても、銀行の幹部は説得されちゃうかも知れませんが、私は、信用しません。いったいARM社では、どれだけの利益の増加が見込めるのでしょうか?過去のARM社のEPSから見てみましょう。

年 EPS($/株)
2015 30.2
2014 24.1
2013 20.6
2012 14.7
2011 12.4
2010 9.34
2009 5.45
2008 5.66
2007 4.79
2006 5.02

過去10年のEPSの成長率から、今後10年のEPSの成長率を求めています。

これまでもスマートフォンなどでIoTの分野が発展してきた通り、自動車やその他さまざまな製品(VRとか)でも、IoTの概念は増加していき、消費量は増えていくと予想できます。過去10年で見てみると、EPS成長率は、19.7%です。こんな会社ほぼありません。

もし、EPSがこのまま成長すると考えたとき、10年後のEPSは、152.35$/株となっています。現在のEPSの約5倍です。その時に、株価は5倍になっているはずです。一株約2380ドルで孫社長は購入しています。これだけ見れば、PERは78.8倍でありえないほど高い数字ですが、10年後には、10年後EPSでは、約15倍になっています。

さらにEPS成長率の相関係数は、0.9004と、非常に高いです。これは、私がこれまで投資を成功させてきた、ニトリ、ABCマートと並ぶほど、高い直線性を示しています。私はこの投資は、成長率、ソフトバンクの目指す方向性を考えても妥当だと思います。EPSが5倍になるということは、全体の利益も5倍になるということです。2015年時点でARM社は、

売上高 :約1,488億円
営業利益:約 406億円
(100円/$)

です。

これが5倍になると考えれば、

売上高 :約7,440億円
営業利益:約2,030億円
(100円/$)

となります。

2015年のソフトバンク業績は、

売上高 :9兆1,535億円
営業利益:  9,994億円

です。

ちなみに、ソフトバンクのEPSも安定して成長し続けており、
成長率は、30.9%です。

年 ROE(%) EPS(円/株)
2015 25.58  402.49
2014 18.14  562.20
2013 18.40  436.95
2012 18.78  332.51
2011 29.77  285.78
2010 34.8   175.28
2009 22.9   89.39
2008 11.4   39.95
2007 32.6   101.68
2006 11.0   27.31

この成長率で伸びれば、10年後には、約10倍になります。相関係数も0.8666と悪くありません。つまり、

売上高 :90兆円
営業利益: 9兆円

もちろん、規模の問題があるので、ここまで行けるかは不明ですが、今回のSprintを見ていても分かりますが、成長することはかなりかたいでしょう。こう考えると、現在PER9.9倍で放置されているソフトバンク株は、買いなのかもしれません。

(※編集部注:一部、記事内容を修正いたしました)

image by: Shutterstock

 

毎日5分! 経済英語NEWS!』より一部抜粋

著者/八木翼
TOEIC235点だった私が900点を超えるまでの勉強の過程で感じた、「英語のニュースを解説してくれる教材があったらいいのに」という思いを形にしました。全ての英文に和訳、文法解析がついています。
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