それは「クォーツショック」。
それまではロレックスなどに代表されるゼンマイ駆動で動いていた職人が作る「機械式時計」が時計のメインストリーム。
しかしそこに、水晶振動子で科学的に作られる「クォーツ式時計」が登場したのです。
職人が細かい仕事を手作業でこなして作る高価な「機械式時計」に対して、工場で低コスト大量生産が可能な上に、時計としての精度が圧倒的に高い「クォーツ式時計」。
勝敗は誰の目にも明らかでした。便利で圧倒的に安い価格、そりゃ誰もがクォーツを買うでしょう。
日本のセイコーが手がける「クォーツ式時計」に押され、バタバタとスイスの時計会社は倒産していきました。
なんとスイスの機械式時計会社は10年で全盛期の半分以下まで会社数が減ったと言われています。
その後、「機械式時計」はその職人気質な作りが再評価され、シェアは失ったものの「高級嗜好品」として生き残る道を作りました。
G-SHOCK Camouflage Dial Series GA-100CF
その後クォーツ製品などのデジタル時計は90年代などに最盛を迎えます。
Gショックなどのフューチャーライクなデザインが注目され人気となりますが、ファッションの流行には必ず揺り戻しがあるものです。
2000年代になるとベッカムなどをはじめとした、
「セレブファッション」
「ラグジュアリーブーム」
が流行となりました。
再び高級志向の「機械式時計」は再評価されるとともに、老舗時計ブランドなどもきらびやかな装飾を施した時計などをリリースするようになりました。
そうしてGショックは、
「安っぽくてイマイチ」
「子供っぽい」
などの手のひら返しをされてしまいます。