プーチンが、トランプにラブレター。米露「和解」で歴史がまた変わる

 

2016年、アメリカ大統領選で、米ロ関係はまた悪化

しかし2016年、オバマの任期が終わりに近づくにつれ、再び米ロ関係は悪化していきました。理由は、トランプがプーチンとの和解を一貫して主張している。ヒラリー陣営は、

  • プーチンは悪魔
  • トランプは、悪魔プーチンの操り人形

とプロパガンダすることで、トランプに勝とうとした。この運動には、もちろんヒラリーを勝たせたいオバマも積極的に参加しました。だから、米ロ関係は、大統領選が近づくにつれ、ドンドン悪化していきました。それでもヒラリーは勝てなかった。

そして、米ロは和解の時代へ

来月、トランプ大統領が誕生します。それで米ロ関係は良くなることでしょう。トランプは、「ウクライナは、欧州の問題だ!」とし、関わらない意向を示している。シリアについては、「アサドよりISの方がもっと悪い」という。つまり、ロシアが支援するアサド政権は延命する。米ロは一体化して、「ISつぶしに動くことでしょう。

唯一の対立点はイランです。トランプは、バリバリの親イスラエルで、「イランとの核合意を破棄する!」と宣言している。ロシアは、一貫して親イランなので、ここに対立の種がある。

こう見ると、トランプの戦略は、オバマがAIIB事件後にはじめた戦略と同じ方向性。ただ、その戦略をもっと徹底して進める方針であることがわかります。

これは、カーターとレーガンの関係に似ています。カーターは、「人権外交」を掲げ、ソ連との融和に務めました。ところが、ソ連が1979年、アフガニスタンに軍事介入すると、さすがのカーターも、強気に転じざるを得なかった。次のレーガンは、ソ連を「悪の帝国!」と呼び、崩壊に導きました。

オバマも、カーターさんと同じく、平和主義者。中国に対し、「基本的にアジアのことは中国に任せたい!」などと寝ぼけたことをいっていた。しかし、2015年3月のAIIB事件以降強気に転じていますトランプはその流れを継承していきます。私たちは、トランプ・アメリカと習近平・中国の覇権争奪戦を目撃することになるでしょう。

日本はアメリカとの関係をますます強固にしロシアと和解する。そして、「日本には沖縄の領有権もない!」と宣言している中国の野望を阻止しなければなりません。一瞬たりとも油断はできませんが、今の路線を謙虚に進んでいけば、日本の勝利は確実でしょう。

image by: Timofeev Sergey / Shutterstock.com

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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