【いじめ】言い訳は通用しない。遂に裁判所が問題教師に賠償命令

 

ただ、国家賠償法は、不法行為をした公務員に故意や重過失がある場合には、「国や地方公共団体は被害者側に支払った賠償金を、その公務員に対して請求できる」と規定しております。そこで遺族が、県はこの規定に基づいて請求すべきだと訴訟し、それが認められたものです。

教師の行為に重過失を認め、賠償を教師に負担させるのは、被害者の立場に立った画期的な判決です。学校での教師の違法行為を見過ごしてはならないという、裁判所の強い思いを感じさせる判決です。この流れを見る限り、司法は積極的に学校や教師の責任を認めて、子供たちを守るという方向に向かっています。

一方、教育現場の姿勢は、まだまだ不充分だと言えます。文部科学省の発表では、2015年度に、全国の公立の小中高校等で、いじめ隠蔽等で処分を受けた教職員はたった8人しかいませんでした。しかも8人のうち4人は、訓告処分、つまり単に注意されるだけにとどまっています。

2013年9月に「いじめ防止対策推進法」が施行された以降も、毎年毎年、何件ものいじめ自殺事件が多発し、教師のいじめ隠蔽やいじめ放置等が問題となっています。しかし、報道を見る限り、いじめ自殺で教師が懲戒になったのは天童市の事件だけしか見当たりません。教職員はいじめに関してはほとんど処分されていないのです。

子供たちを守るためには、「いじめ防止対策推進法」に、「ひどい教職員」に対する懲戒規定を定めることが急務です。いじめを隠蔽し、放置し、加担する教師、こんな教師に子供たちを見てもらいたくないというのは、親の本音です。私たちは、いじめに対して真剣に取り組む先生を応援していきたいと思っています。そのためにも、「いじめ防止対策推進法には、教師への懲戒が必要です。

いじめ相談も承っております。何か不安に思うことがありましたらご遠慮なくご相談ください。

いじめから子供を守ろう ネットワーク
井澤・松井

注1:国家賠償法
第1条 第1項
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

第2項
前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。

image by: Shutterstock

 

いじめから子供を守ろう!ネットワーク
「いじめ」と学校の「いじめ隠ぺい」から、子供たちを救うための、父母によるネットワークです。いじめの実態やいじめ発見法、いじめ撃退法、学校との交渉法、いじめ相談などを掲載します。
<<登録はこちら>>

print
いま読まれてます

  • 【いじめ】言い訳は通用しない。遂に裁判所が問題教師に賠償命令
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け