加害者からは聞き取りせず。横浜原発いじめ、第三者委員会の怠慢

 

横浜の事件をはじめ、全国でいじめ事件が報道されている中、文部科学省は、「いじめの防止等のための基本的な方針」を改定しようとしています。1月23日には、有識者会議に改定案が提示されました。報道によれば、改定案では以下の点などが強調されています。

いじめ解消の判断基準

  • 単に「謝罪した」から解消ではない
  • いじめがやんでいる状態が3カ月継続していること
  • 解消の判断時点で被害者が心身の苦痛を感じていないこと。

いじめの定義

  • けんかやふざけ合いでも、被害を感じているかどうかで判断すること。

「学校評価」に項目を追加する

  • いじめの認知件数や防止に向けた取り組み状況の評価。
  • アンケートや面談の回数、校内研修の実施状況などの目標設定と達成状況を評価。

いじめの隠蔽について

  • いじめを発見したり、相談を受けたりした場合は、教職員が抱え込まずに学校が組織的に対応する。
  • 関係する情報を適切に記録しておくこと。

「重大な事態」について

  • 把握に向けて、学校側に発生の疑いが生じた段階で調査を始めること。
  • 調査の在り方についてまとめた指針(ガイドライン)案も提示。
  • 被害者側の思いを理解し、丁寧に調査や結果説明を進めること。

インターネット上のいじめ

  • 画像や動画が拡散すると消去が困難。
  • 刑法や損害賠償の対象になり得る。
  • ネットいじめが重大な人権侵害に当たる行為だと子供に理解させる必要性がある。

全体としては、現在のものよりも踏み込んでいるように見えます。しかし、冒頭の横浜市のようないじめ事件が、この改定案で改善されるのかと言えば、かなり疑問が残ります。

いじめの隠蔽問題に対して、明確な指針が必要です。文科省には、毅然とした態度を示し、「隠蔽した教師は懲戒する」ことを基本方針の中に盛り込む勇気を持ってもらいたいものです。隠蔽する教師、隠蔽する教育委員会に逃げ場を与えないことを外してはならないと思います。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明

image by: Shutterstock
 
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