しかし、このように考えるのは、「普通の人」であり、学校は違うようなのです。実際、暴力を含んだいじめの相談を受けて学校側に解決してもらうようにお願いすると、
「これはいじめではありません。ケンカです」
「これはいじめではありません。暴力です」
「これはいじめではありません。ふざけているだけです」
等々の言葉が返ってきます。問題を抱えた学校の先生たちにとって不思議なことに、暴力事件や傷害事件よりもいじめは「認めがたい事件」なのです。
なぜ、こんなことになるのでしょうか。暴力事件や傷害事件が起きた場合は、一般的に、学校の責任を追求されにくい案件だからかもしれません。マスコミの報道でも、加害者の責任は追及されますが、学校の責任が問われることはあまりありません。
しかし、「いじめ事件」となると日頃の生徒指導や学級経営、アンケートの実施状況など、学校の対応について言及されることになります。これは「困ったこと」なのでしょう。
しかし、これでは「教師、校長の仕事を果たしている」とは言えないことに先生たちは気付いているのでしょうか。「事なかれ主義」の考え方を教育の世界から追放しなくてはならないと強く感じています。