先日、出会った教師は、「そもそもいじめに対処する責任が教師にあるのでしょうか。法律には書いてないでしょう」と話していました。確かに「教育基本法」には明文化されておりませんが、過去の判例において「学校は安全配慮義務を有する」ことが明らかです。さらに、「いじめ防止対策推進法」には、学校及び学校の教職員の責務として、
第八条 学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校全体でいじめの防止及び早期発見に取り組むとともに、当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する。
と記されています。教師には、法律的にもいじめに対処する責任があるのです。
「教師はいじめに対処しなくていい」という先生がいる一方、「学校でいじめがあれば、それは我々、教師の責任です。いじめは許しません」と話してくださる先生方もいます。文科省や教育委員会は「いじめではありません」などと責任逃れをする教師ではなく、「いじめは教師の責任だ」と言う先生を育てていただきたいのです。
そのためにも、教師によってまちまちな生徒指導能力に頼るのではなく、どの先生であっても一定の問題解決能力、生徒指導能力を獲得できる教員研修を実施していただきたいと考えます。教師の自覚と訓練こそ、現代の教育者には不可欠です。
いじめの相談が相次いでいます。不安に思ったり、疑問に思ったりすることがありましたら、ご遠慮なくご連絡ください。
一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明
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