似て非なるもの。トランプとレーガンの「決定的な相違点」

 

合意による形成を

トランプ新大統領は、最近の状況を見ると貿易赤字の解消などに取り組もうとしている。一番の特色は自身の「ツイッターにて口先介入を行ない、個別の企業などを追い込み自分の意図を通そうとしている手法が目立つ。

レーガン大統領の場合は、日本も円安から円高に変わるわけだが、これはプラザホテルで行われた「プラザ合意によって協調介入という方法でドル高是正を行なっている。このことから、レーガン大統領とトランプ新大統領の手法は全く違うといえる。

しかしながら、レーガン大統領の政策は財政赤字などを招き、必ずしも成功とはいえなかった。「双子の赤字」と言われたり、貿易摩擦も起こったため、それをどうするのかという問題があった。問題解決においては、今回のトランプ新大統領のようにツイッターによって一言でひっくり返すというようなやり方ではなく、関係者を集め合意をしたうえで物事を変えていくやり方をするべきだと思う。

似て非なる強いアメリカ…

トランプ新大統領の「アメリカ第一」は、レーガン大統領の「強いアメリカ」とは似て非なるものだ。それは、トランプ新大統領の「アメリカ第一アメリカの国益が第一」という意味だ。それに対して、レーガン大統領の「強いアメリカというのは、「強いアメリカにすることで世界の安定に役立つ」という発想だ。ここに、哲学の違いが大きくあるように思う。

レーガン大統領は「アメリカは世界の警察官である」ということを前面に出していた。「自由主義」、「共産主義」や「人種差別」への反対となど、世界に目を向けた基本的な哲学があった。

それに対して、トランプ新大統領は「アメリカの国益が大事、「世界の警察官はやめると表明している。国益を大事にするために、「フォード」「トヨタ」「メキシコ」などに口先介入している。これをツイッターを使い140文字という短文で表現するため、その背景にどんな哲学があるのか全く理解できないのだ。世界をどうやって引っ張っていこうとしているのかということも全く見えない。

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