似て非なるもの。トランプとレーガンの「決定的な相違点」

 

正念場を迎える日本外交

「世界の警察官をやめる」というのは、各国に対する自分たちで国を守ってほしいという要求の表れだ。これは、日本にとっても影響は大きく、トランプ新大統領は日本に対して防衛費の増額も要求している。さらに、「日本の自動車産業が貿易赤字を増大させている」と個別の会社に対して要求している。

そういう意味からもアメリカは「どういった哲学や方針で世界に臨もうとしているのか」ということが皆目見当つかず、ただ単に「自分たちの利益を追求している」ようにしか感じられないため、世界が混乱している。しかも、先に述べたとおりツイッターという短文で表現することで、哲学が全く分からないことが混乱の主たる要因となっている。

今後、気になるのは米中関係だ。トランプ新大統領が当選後から米中双方で激しい応酬が続いている。以前もお話したがトランプ新大統領の「二つの中国問題は中国の根幹を揺るがす発言。さらに、トランプ大統領の中国がアメリカの潜水艦を盗んだことに対する発言や、中国が南シナ海に基地を作ったことに対して「誰の許しを得てやっているのか」と発言したことにより、中国は台湾付近に空母を周回させたり、南シナ海に爆撃機を飛ばすなど、偶発的な事故が発生することも危惧される。

現在、衝発的なことが多く、見通しがつかないことは今後どのような影響がでてくるのか非常に心配も多い。日本がその部分をどう解決していくことができるのか、日本の外交の正念場でもある。

(TBSラジオ「日本全国8時です」1月24日音源の要約です)

image by: Ken Wolter / Shutterstock, Inc.

 

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ジャーナリスト。1942年生。慶応大学経済学部卒業後、毎日新聞社入社。大蔵省、日銀、財界、ワシントン特派員等を経て1987年からフリー。TBSテレビ「ブロードキャスター」「NEWS23」「朝ズバッ!」等のコメンテーター、BS-TBS「グローバル・ナビフロント」のキャスターを約15年務め、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」に27年間出演。現在は、TBSラジオ「嶌信彦 人生百景『志の人たち』」出演。近著にウズベキスタン抑留者のナボイ劇場建設秘話を描いたノンフィクション「伝説となった日本兵捕虜-ソ連四大劇場を建てた男たち-」を角川書店より発売。著書多数。NPO「日本ニュース時事能力検定協会」理事、NPO「日本ウズベキスタン協会」 会長。先進国サミットの取材は約30回に及ぶ。

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【著者】 嶌信彦 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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