40代サラリーマンをクリエイターへと進化させた「謎のロボ」

 

予想外に大きく扱われたダンボールロボット

番組の放送開始予定は2014年4月8日(正確には、深夜12時を過ぎているので、9日)でしたが、初回は別の企画があり、ダンボールロボットの登場は2回目からになるとのことでした。

制作依頼をいただいたときに、制作舞台裏のお話を自身のブログに書いても良いとの許可を得ていました。

ただし、番組にダンボールロボットが登場するのは2回目の放送からとなるため、4月16日分の放送後まではブログでの公開は不可とのこと。

登場しないとは聞いていましたが、自分自身が関わったものなので、初回から番組を見ることにしました。

深夜番組であることに加え、初回は放映がさらに遅い時間だったこともあり、番組は録画して、翌日の仕事が終わってから見ました。

そして、見るなり驚きました。なんとオープニングの番組タイトルで、アイドルの男の子達よりも大きい、ダンボールロボットのイラストが書かれているではありませんか!

事前にダンボールロボットの役どころは大きくないと聞いていたので、驚きは尚更でした。

番組の最後には次回の予告もあり、そこにはアイドルの男の子達と絡むロボットの姿がありました。背面どころから、ど真ん中の立ち位置

これには良い意味で期待を裏切られました。そのときの模様はブログでもご覧いただけます。

ダンボールロボットは「ロボット先生(ロボ先生)」と命名され、2回目の放送では、ど真ん中で司会を行っていました。

主役はアイドルの男の子達であり、ロボ先生が目立ち過ぎたためかどうかは不明ですが、徐々に隅っこに追いやられてしまいました(笑)

番組は1年間続き、その間、毎週ロボ先生のイラストが番組のタイトルとして出続けました。2015年からは番組名が変わって内容も一新。放送エリアも増え、引き続き、アイドルグループの冠番組として放送されています。

このグループがジャニーズ並みに売れるようになったら「この子達の駆け出しの頃に番組にかかわったんやで」と自慢するためにも、彼らには頑張って欲しいと思います(笑)

テレビ初仕事がこのような露出の大きなものとなり、とても幸運でした。

なぜ、このような大きな扱いになったのか、真相は不明です。ただ、ご相談をいただいた当初から予定が目まぐるしく変更されており、テレビ番組の制作(特に今回のようなバラエディ番組)というのは、権限を持つ方の瞬間的な判断で物事が決まり、取捨選択はギリギリまで行われるのだろうと感じました。

制作開始時にダンボールロボットのCGを見せていましたが、途中、ヘルメットの中にインカム(頭に装着するタイプのマイク)を仕込むだけの余裕が必要となり、形状が変更になりました。

納品の2日前、試着のためにテレビ局に持ち込んだときはすでに形は固まっていましたが、着彩したのはその後だったため、テレビ局の方達が最終的な形を確認できたのは納品当日、4月6日(日)のお昼過ぎでした。

初回放送の時点で、番組タイトルにロボ先生の最終形が正確に描かれていたことから、わずか2日で番組タイトルのイラストを仕上げた、ということになります。

制作の仕事は、納期に近い後工程ほど大変なものですが、まさか私の後にまだそのような工程があるとは思いませんでした。描いていただいた方には、心から御礼申し上げます。

次回は、会社員時代に趣味と仕事をどのように両立していたかをお伝えします。

いわい ともひさ/ダンボールアーティスト

image by: IWAIMOTORS.COM

 

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