ダラダラおしゃべり、お菓子食べマッタリ…も「残業」になるのか

 

少し、話を変えます。残業の指示などしていないのに、従業員が会社に残っていた場合のトラブルについてお話します。

従業員が未払残業代の支払いを求め、労基署へ駆け込んだ場合などに、「残業を指示した覚えはない!」「従業員が勝手に残っていただけ」などという言い訳は通用しません

黙示の指示」があったと判断されれば、残業命令があったとみなされます。職場内で、「今抱えている業務が終了するまで、残業してでも終わらせるのは当たり前」的な雰囲気を出していれば、「黙示の命令」があったと判断されます。残業しなければ終わらないような業務量を与えていた場合も、「残業命令」があったものと判断されます。

また、「残業申告書」や「残業指示書」などを利用せずに残業を行わせていた場合、タイムカードの打刻時間が労働時間であると判断されます。従業員が、社内に残ってダラダラおしゃべりしている時間も、お菓子を食ってくつろいでいる時間も、すべて残業時間と判断されます。会社は、タイムカードの打刻時間が、実際の労働時間ではないことを証明する必要が出てきます。

このような事態を防ぐためにも、残業や休日出勤を行う場合には、「残業申告書」の提出を義務付けるべきです。そして、業務終了後は、速やかに退出するよう指導することも重要です。

以上を踏まえて、あらためてお聞きします。

「御社では、残業指示が正しく行われていますか?」

image by: Shutterstock.com

飯田 弘和この著者の記事一覧

就業規則とは、入社から退社までの「ルールブック」であり、労使トラブルを未然に防ぐ「ワクチン」であり、効率的な事業運営や人材活用を行うための「マニュアル」でもあり、会社と従業員を固く結びつける「運命の赤い糸」でもあります。就業規則の条文一つ一つが、会社を大きく発展させることに寄与し、更には、働く人たちの幸せにも直結します。ぜひ、この場を通じて御社の就業規則をチェックしていただき、問題が生じそうな箇所は見直していただきたいと思います。現役社会保険労務士である私が、そのお手伝いをいたします。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 採用から退社まで! 正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ 』

【著者】 飯田 弘和 【発行周期】 週刊

print
いま読まれてます

  • ダラダラおしゃべり、お菓子食べマッタリ…も「残業」になるのか
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け