「マーケティング」に戻ります。信長の「マーケティング」を考えるとき、それは「イノベーション」と一体となっていることに特徴があり「顧客創造」そのものと言えるでしょう。
何故なら、信長の登場以前には搾取される奴隷農民はいても年貢を徴収できる「農民」という存在自体がなかったからです。そこで行ったのが関所の撤廃と兵農分離で、これによって統治して年貢の徴収を行える自由民である平農民が生れることになりました。また、楽市楽座や撰銭令の実施で商業者の経済活動が活発化して、地子銭や津銭などの税金の徴収も増えることとなりました。
マネジメントの目的が「顧客創造」であるとする「ドラッガー」の定義はなかなか理解できにくいものです。戦国時代にこれを実践し「神の役割」を意識した織田信長は経営者として見た場合、時代を超越した第一級の経営者と言えそうです。
まだまだいろんな信長の業績から、現在のマネジメントに役立つ事例を引き出すことが可能ですが、ここで改めて言いたいのは、質の高い「マネジメント」は社会を大きく変革し人を幸せにする力を持っているということになります。
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