では、「適正な手続き」とは、どのようなものでしょう?
まず、協定を結ぶ相手方である「労働者の過半数代表者」について。この「代表者」には、「管理監督者」はなることができません。要は、会社の経営に直接関わっているような人を、代表者として選出することはできないのです。
また、選出の際には、36協定を結ぶための「代表を選ぶことを明らかにして」、投票や挙手などの「民主的」な方法で選出する必要があります(持ち回り決議や、労働者の話し合いで決めてもOKです)。
ですから、会社が「一方的に指名した者」や「親睦会の代表者」がそのまま代表になったような場合、その者を「過半数代表者」と認めることはできません(したがって、彼らによって結ばれた36協定は「無効」となります)。
また、36協定の有効期間は、1年間とすることが望ましいとされていますが、36協定を結ぶたびごとに、過半数代表者の選出(民主的な方法での選出)が必要です(代表者の自動延長みたいなことは、ダメです)。当然ですが、この「過半数代表者」になったことで、減給や降格などの不利益取扱いをしてはいけません。
さらに、この36協定は、就業規則同様、労働者に「周知」しなければなりません。ですから、36協定は、「締結」「届出」「周知」の3つが揃って初めて、効力を発揮します。
最後に注意事項があります。いくら36協定を結んでも、就業規則に残業の定めがあっても、18歳未満の年少者と本人が残業・休日労働を希望しない妊産婦には、残業・休日労働をさせることができません。
以上を踏まえて、あらためてお聞きします。
「御社では、正しく36協定が結ばれていますか?」
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