国際社会に逆行する金融緩和。欧米の安倍追い落としが始まった

 

世界の金融政策は一体化が必要

イエレン議長やFRB理事が心配しているのは、バブル崩壊による景気の急減速であり、金利が低いことで銀行の倒産が起きることである。そのためインフレ率が低くても公定金利を上げ、資産の売却で市場金利を上げようとしている。このため、世界の中央銀行マフィアたちは、定期的に会合を開いている。それで世界の先進国の中央銀行が揃って、金融緩和に動いているのである。

世界が協調して金融緩和を行い、世界が揃って金融緩和縮小を行う必要があるためだ。一国だけが行うとその国の通貨だけが異常に高くなったり、安くなったりするからである。世界経済はグローバル化して一体で金融政策をしないといけないのである。

白川前総裁は、日本だけ金融緩和を行わなかったことで、1ドル=74円という超円高にして、日本経済を窮地に陥れたが、今度は、先進国の多くの中央銀行が金融緩和縮小する場面で、黒田総裁の日本だけが金融緩和を維持する選択をすることになり、円安になるはずであるが、欧米から日本たたきが起こる可能性が高い。円安になり日本だけが得をすることは、先進諸国は許さない

白川前総裁の判断は、日本だけ損をする処置であり、先進諸国は容認したが、黒田総裁の判断は逆に、日本だけが得することになるので、許さないのである。

日本だけ金融緩和が遅れて、このため、金融緩和の効果が遅れているので、金融緩和縮小も遅らせたいということであるが、それは金融緩和を遅らせた日本の責任であり、先進諸国の責任ではないということである。

そして、黒田総裁に金融緩和政策を行わせているのが安倍首相であり、安倍首相に対する風当たりも強くなっている

米国は日本に対してFTAを要求しているし、鉄鋼製品の輸入制限を行うことにしている。円安になり日本からの輸入を止めることになる。G20でも日米首脳会談を最後までトランプ大統領は嫌がった。ECBは米国に同調して金融緩和縮小することで、フランスのマクロン大統領とは、反対に友好関係を増進した。

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