エスカレートする北朝鮮の挑発を、大手新聞社はどう分析しているか

 

「緊密な協議」が必要

【毎日】は1面中ほど。関連記事は2面、3面「クローズアップ」、5面に社説、6面経済面、9面国際面、25面社会面にも。見出し
から。

1面

  • 北朝鮮制裁を協議 安保理 石油禁輸焦点

2面

  • 「ICBM再発射も」 韓国が分析
  • 挑発続く可能性
  • G7が非難声明

3面

  • 圧力強化 駆け引き
  • 日米に韓国同調
  • 中露 制裁に消極的

5面

  • 首脳間の意見調整を密に(社説)

6面

  • 東証終値 183円安
  • 北朝鮮核実験 リスク回避の動き

9面

  • 核実験 広がる不信
  • 中朝国境 吉林省の朝鮮族
  • 商売への影響憂える
  • 北朝鮮 ICBM強化へ
  • 米当局 核搭載「18年前半」

25面

  • 「国民飢えさせてまで」
  • 北朝鮮核実験 脱北者も非難

uttiiの眼

5面の社説は後半に興味深い記述がある。日米首脳が北朝鮮情勢を巡って頻繁に連絡を取り合っていることを歓迎しつつ、トランプ米大統領の表向きの発言はぶれ幅が大きいことに注意を促している。突然何を言い出すか分からないということだ。さらに、核実験後の電話協議で「気になること」があったとして…「両首脳が『2国間の断固たる相互防衛の約束を確認した』という点」を挙げる。

この部分、米政府は発表したが、日本政府は明らかにしていないという。安保法制の成立によって、今や日本は全面衝突に至らない段階でも、「日本の安全に重大な影響がある場合」は、軍事作戦中の米軍を給油などで支援することになるし、また「重大な危機にさらされた場合」には、集団的自衛権を行使して米軍を守ることもあることを指摘。社説子は「いずれも北朝鮮の報復攻撃の可能性を否定できない」と懸念を示している。だからこそ、「日本は『あらゆる選択肢』を持つ米政権を支持しているが、日本に甚大な被害が及ぶ戦争を避けるよう米国に繰り返し働きかけるべきだ」としている。

例えば、米政権が北朝鮮の核保有を容認し、代わりにICBM開発を停止させるような方向に踏み出したとき、米国にとっての危機は低減するだろうが、日本にとっての脅威はそのままだ。そんな選択肢を採ることがないように、「緊密な協議」が必要だとする。

珍しく、と言ったら失礼かもしれないが、説得力のある社説。ただし残念ながら、安倍氏がこの社説子の願いを聞き入れてくれるかどうかは怪しい。

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