習近平の掲げる中国「新社会主義」が日本の経済と外交を脅かす日

 

中国の国際展開・外交

中国の外交の基礎は、孫子の兵法である。トウ小平は実力が着くまで欧米に従い技術を習い尊大に振舞わないとしたが、この次の段階に来た。尊大に振舞うことができるようになったということである。

そして、一帯一路により中国は海外に巨大な権益を持つようになり、この権益拡大で、より大きな利益を生むように、中国主導のルール作りも始めるようである。中国主導の世界的な規範が動き始め、手始めにインターネット規制の規範を世界の標準にしようとしている。これとともに、権益防護のために、海外への兵力の展開をする必要で、愛国心を強調することも重要になっている。

また、一帯一路の成功で、本来の中国の世界観が出てきている。世の中は「中華」とそれを取り巻く蛮族と見る「華夷(かい)思想」であり、小国を小さくとも法的に大国と対等の主権国家という発想がない。この華夷思想が前面に出てきた。

このため、中国に近い友好国であるカンボジア・ラオスなどは属国化して、2つの国の首相は、簡単には習近平にも会えないし、国の法律も中国の制限があり中国内の省長のような存在にされている。

これが嫌で、ミャンマーは中国離れをしたことでも、属国化した国には国としての自由もなくなることがわかる。

中華思想の中心でもある習近平によると、中国は2050年までに「国家として総合的な力を確立し、世界に大きな影響力を及ぼす国際社会のリーダーになるとし、米国を仰臥すると言っている。中国の夢でもある。

しかし、これも孫子であるが、「戦わずに勝つ」方法を今の中国は実践している。1つ1つの兵器の性能は、米国兵器の70%であるが、数を圧倒的に多くして勝てないと思わせることに注力している。日本の海上保安庁の艦艇の数でも、すでに中国が圧倒的な数にして日本を仰臥している。質より量の考え方で来る。

また、孤立化を避けるためにロシアとは特別な関係を持つとしているが、天然ガスの価格などの交渉は厳しく、ロシアの経済的なメリットはそれほどでもないようだ。また、中国は、ロシアの軍事技術を手に入れて、自国の軍事産業を活性化することを図り、よって、政治的関係だけの同盟であり、ロシアも孤立化を避けるためだけに中国と良好な関係にしているようだ。米国は、トランプ大統領になり、中国包囲網を築けるチャンスであったが、ロシアゲートにより実現しなかった。日本はロシアとの友好関係を構築して、中国の攻勢を防ごうとしている。

もう1つが、遠交近攻策である。遠くとは友好関係を構築し、近くは攻めることになる。欧州やアフリカとは友好関係を構築して、近くのインドとの国境では国境紛争を起こし、南シナ海でも領有権を主張している。

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