今では「嫌われ者」の年金は庶民の要望から生まれていたという事実

 

今の国民年金が作られたのは昭和34年です。なぜ国民年金が出来たかというと、国民の要望が強まってきたから。今はいろんな所で嫌われている年金制度ですが、望まれて生まれたわけです。

まず、昭和30年から振り返ったほうが良いのですが、この時の人口は9,000万人ほどでした。65歳以上高齢化率はまだ5%ほどで約480万人、0歳から14歳までの年少者は約3,000万人。出生率は2.4くらいはあった。平均寿命は男63歳、女67歳だった。ちなみに昭和20年頃までは男女とも平均寿命は50歳くらいだった。

その約9,000万人の中で全就業者は4,200万人ほど居たんですが、厚生年金や共済年金のような被用者年金に加入していたのは1,200万人程度だったんです。つまり、その他の人には何の年金も無かったわけです。

全就業者4,200万人ほどの内、農業等の第一次産業が40%を占めていた頃でした。今は4%ほどですが…。昭和30年に自由党と民主党が結党して自民党が出来て、社会党の二大政党ができました。そんな中、何の保障もない人達にも年金を! という気運が高まってきて、昭和33年に総選挙があり、この時の自民党と社会党の選挙公約は国民年金の実施が最大の選挙公約となりました。

この時の投票率は79.99%もあって、2009年に民主党政権が出来た時は69.28%ほどの高い投票率でしたけど、国民年金創設時の投票率ほど高い投票率になった事は今まで無いですね。それほど国民年金創設は高い関心事だったわけです。今現在は随分年金制度はいろいろ叩かれますけどね…。

そして、自民党が勝ち、厚生省(今の厚労省)と自民党で初代年金局長となった小山進次郎さん(既に亡くなられてます)という方をリーダーとして国民年金制度が作られていきました。それで昭和34年4月に国民年金法が出来て、実際の年金の支給は昭和34年11月分から始まりました。だから年金の日とか年金月間なのかと^ ^。

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