後悔先に立たず。年金のプロが明かす、「障害年金」の意外な落とし穴

 

さて、平成29年12月30日から1年6ヶ月は傷病手当金は最大支給されますが、思いの外闘病が長引く事ももちろんあります。じゃあ傷病手当金以降の社会保障はどうするか? そこは障害年金の出番です。ごめんなさい、やっと本題です(笑)。

この男性は初診日が厚生年金加入中の平成29年12月18日ですよね。初診日が厚生年金加入中にあると障害厚生年金の支給対象になる。まず、初診日の前々月(平成29年10月)までに年金保険料を納めなければならない期間がある場合は3分の1を超えて未納がない事が条件ですが、20歳から年金保険料納付義務が生じて以来、学生納付特例免除28ヶ月と厚生年金期間115ヶ月でどこにも未納無し。よって問題無く請求可能。

※参考

初診日の属する月の前々月までの直近1年間に滞納が無ければそれでも可能

障害厚生年金請求が可能になるのは、初診日から1年6ヶ月経過した日(この日障害認定日という)である平成31年(2019年)6月18日以降。この日以降請求可能

躁鬱病の診断にて医師より診断書を交付され、障害厚生年金を請求。診断書は障害年金専用の診断書を用いる。日本年金機構より障害等級2級の結果になった(支給決定後は1~5年間隔で次回の等級を確認する為の障害年金更新の診断書提出をしなければならないが、この男性は2年後の平成31年12月の記載とする)。大体、請求してから初回支払いまでに3~4ヶ月はかかる。

で、いくら支給されるのか。まず、117ヶ月間の平均標準報酬額は35万円なので障害厚生年金は、(35万円÷1000×5.481×117ヶ月)÷117ヶ月×300ヶ月=575,505円。厚生年金期間が300ヶ月に満たない場合は300ヶ月で計算される。そして、65歳未満の生計維持している配偶者が居るから配偶者加給年金224,300円が障害厚生年金に加算。

次に障害等級2級以上だと国民年金から障害基礎年金779,300円と、18歳年度末未満の子が2人居るから、子の加算金224,300円×2人分が障害基礎年金に加算。よって、この男性に支給される障害年金総額は障害厚生年金2級575,505円+配偶者加給年金224,300円+障害基礎年金2級779,300円+子の加算金224,300円×2人=2,027,705円(月額168,975円)となる。

もし、この男性が退職後の失業期間中に初めて病院に行くと初診日が国民年金加入中になるので、支給されるとしたら障害基礎年金779,300円+子の加算金224,300円×2人分=1,227,900円(月額102,325円)だった。退職前に病院に行っておくか、会社に申し訳ないからと退職後に病院に行くとでは雲泥の差が出るわけですね^^;。だから、会社に在籍中に病院に行けるなら行っておいてもらいたいというのはそのため。

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