後悔先に立たず。年金のプロが明かす、「障害年金」の意外な落とし穴

 

1.昭和60年(1985年)12月14日生まれの男性(今は32歳)

● 何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)

現在は29歳の妻と、6歳と4歳の子有り。男性の年金記録。20歳になる平成17年(2005年)12月から大学卒業する平成20年3月までの28ヶ月間は学生納付特例免除。

※参考

学生納付特例免除は将来の老齢基礎年金額には全く反映しない。年金受給資格期間10年以上の期間に組み込むだけの期間。ただし、今回の障害年金を貰う上では重要な期間遺族年金の時も同じ

平成20年4月から民間企業に就職したものの、平成29年2月頃から抑鬱状態が続くようになり会社を休みがちになってしまった。平成29年12月31日をもって退職する事にした。平成20年4月から平成29年12月までの117ヶ月は厚生年金。この間の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)の合計額の平均値(平均標準報酬額)は35万円とする。病院は会社を辞めてからにしようと思っていたが、年末年始になる前に妻の説得で平成29年12月18日(初診日)に心療内科に通い始めた。

ちなみに平成29年12月11日から有給休暇を消化しながらそのまま平成29年12月31日付で退職する事になった。

なお、会社に在籍中は「健康保険」に入っているから休んでる間は申請により傷病手当金が支給される。支給される日数は労務不能で休んだ日数分(傷病手当金支給申請書に医師の意見を書いてもらわなければならない。申請自体は普通は会社がやる)。

傷病手当金(協会けんぽ)

休み始めて4日目から支給対象になる。12月11日から休み始めたから、12月14日から支給対象。3日間は必ず連続して休まないと傷病手当金の条件を満たさない(この3日間を待機期間という)。傷病手当金額は支給開始日以前12ヶ月の平均給与(平均標準報酬月額)を30日で割った額の3分の2が支給される。直近12ヶ月の平均標準報酬月額は28万円だったとする。よって支給される傷病手当金日額は28万円÷30日÷3×2=6,222円。ただし、有給休暇日額が9,000円支払われる事になっていた為、12月14日から12月29日までの分は傷病手当金日額を超えてるから手当金の支給無しだった。

※注意

給与日額や有給休暇日額が傷病手当金日額より下回るなら、差額が傷病手当金として支払われる。また、有給休暇で休んでても3日間連続で休んでいるなら待機期間が完成する。

実際の傷病手当金支給開始日は平成29年12月30日分から。ここから最大1年6ヶ月貰える(土日祝関係無い)。とにかく医師が労務不能と判断して休んだ日数支給される。1年6ヶ月目一杯受給という事になると、1年6ヶ月を日数にしたら540日×6,222円=3,359,880円で結構な額になりますね^^;。

ちなみに傷病手当金は毎日支給されるわけではなく、1ヶ月分とか数ヶ月単位とかで申請する。会社の給与締め日とかによって支払日が異なる。

しかし、会社を退職すると傷病手当金は貰えなくなるのか? 退職後も傷病手当金が支給されるには退職日以前1年間継続して健康保険の被保険者であり、傷病手当金を退職日までに受けてた、または受けられる状態だった(3日間の待機期間が完成し4日目が到来していたとか)場合は退職後も傷病手当金を受けられる。この男性なら問題ないけど、うっかり退職日に無理して出勤したら退職後の傷病手当金は受けれなくなるから要注意労務不能で休んでる期間が引き続いている事が退職後の傷病手当金の支給要件だから。例えば、在職最後の日くらいはご挨拶のために無理してでも出勤しなければ…とか馬鹿正直に出勤してはダメです^^;。更に退職後も傷病手当金貰ってる人が回復して、アルバイトなど一時的に労働に従事したがまた悪化して休んでももう傷病手当金は復活しない。退職後の給付は気をつける必要がある。

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