オリンピックは愛国心の暴走を防ぐ「ガス抜き」ビジネスなのか?

 

その意味で、国家の代表を禁じられたロシア選手団が、それでも存在感を示し、また禁止措置への反抗を個人として表現したというあたりに、一つの均衡があったのかもしれません。そのことを思うと、この問題については、「あるべき姿」という原理主義から対立を煽るよりは、一種の均衡を求めるというのが良いのかもしれません。

さらに言えば、五輪というのは、ナショナリズムが人命を弄ぶ形で激突するのを防ぐためのガス抜き」という面が強いわけで、尚更、ある種の均衡というのが着地点なのだと思います。

image by: lazyllama / Shutterstock.com

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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