米国が仮想敵ナンバーワンの中国を地経学的戦争で攻めきれぬ理由

 

中国は、アメリカを懐柔しつづけてきた

ところが、これで、「米中貿易戦争は激化しつづけ、最後までいく」とは断言できないのです。

いまやアメリカで「最強ロビー集団」になっている中国は、ものすごい影響力をもっている。既述のように、アメリカは90年代初め、反中になった。しかし、中国は、「クリントン・クーデター」を起こし、たった1年でアメリカを親中に戻すことに成功しました。

トランプもそうです。この方は2016年12月、台湾の蔡総統と電話会談し、中国に大きな衝撃を与えました。しかし、2017年4月、はじめて習と会談したトランプは、「私は、彼のことが大好きだ!」と語り、すっかり懐柔されてしまった

中国は、70年代から現在まで、常に「アメリカを懐柔すること」に成功してきました。それで、今回の「米中貿易戦争」も、「中途半端で終わる可能性が高いと思うのです。

ここまでを、まとめてみましょう。

  • トランプが、「終身国家主席」についてどう考えているか、誰にもわからない
  • しかし、このニュースの後、トランプは、対中強硬派を要職につけ、貿易戦争を開始した
  • とはいえ、中国は、70年代から現在まで、常に「アメリカ懐柔」に成功してきた
    ・今回もそうなる可能性が高い

となります。「なんだかすっきりしないな」と思われるでしょう。すっきりしないのは、トランプやアメリカに「迷い」があるからそうなるのです。「迷いの原因は中国の工作です。

 

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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