ということで、今回は旧型の700系であるために、破損してしまったと見られるわけですが、そうであるにしても、今回破損した部分は、
- 新幹線のボディ本体ではなく、連結器カバー
- 強化プラスチック製のため、仮に壊れても金属片が飛散することはなし
ということは確認しておいても良いと思います。
問題は、むしろメディアの姿勢にあると思います。今回の事件を、他の事件と重ねることで、新幹線の安全神話が揺らいだとする、そこまでは間違ってはいますが、まだ仕方がないとは言えます。ですが、問題は、その報道が余りにも露骨で大量だったことです。
いちいち血痕がどうとか、「人体の一部」が発見されたとか、「衣服」が見つかったなどと「おどろおどろしい」報道が繰り返されたのです。その結果として、交通システムへの信頼は必要以上に揺らいだし、同時に、これだけ報道されてしまうと、模倣する人が出てくるのが怖いです。
新幹線を使った自殺というのは、経済的・社会的なダメージが巨大になるだけでなく、身元確認(今回は指紋で確認できたようですが)が難航したり、遺体の捜索活動も凄惨を極めるなど、絶対にあってはならないことです。模倣犯を防止するという観点からも、今回の報道の総量は、問題の深刻さに比べて多すぎたと言わざるを得ません。