別の問題があるのは男子体操です。
男子体操といえば、内村航平選手という絶対的なエースが牽引してきたわけですが、内村選手はキャリアの最晩年に差し掛かっています。そのことは、ご本人も意識した上で、東京という区切りを目指して頑張っているわけです。
では、東京は内村頼みなのかというと、そんなことはなく、田中がいるし、白井、萱、谷川兄弟など新しい世代も育ってきています。いわば、分厚い層がしっかり出来ていて、世代交代も進行しているのです。
ということは、スーパースターの内村にしても安泰ではないのです。そんな中で、内村が代表の座を守って活躍するのか、それとも新世代が追い上げてくるのか、大変にスリリングな状況になっています。
仮に内村が東京の前に辞めるようなことになれば、それはそれで新世代が伸びたのであれば、全日本としては悪いことではないし、内村が意地を見せて残れば、それはそれで大きな精神的な核になるでしょう。
そのような男子体操の熱気も、あんまり報じられていないように思います。その他の競技も含めて、面白い戦いがすでに白熱しているのですが、報じ方に工夫が必要ではないかと思うのです。
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