感度が鈍いスポーツ用品業界は「スポーツ家電」に滅ぼされるのか

 

スポーツ用品業界のチャンス

そこで先日、そうした業界の動きを見ようと大阪で行われた「スポーツビジネスジャパン2018」を訪ねました。残念ながら、さしたる先端スポーツ用品は出品されてはいませんでした。それでも、スポーツ市場に新しい波を起こそうという機運は感じることができました。確実に世の中は動いています。

とはいえ、このビジネスショーに出展していたスポーツメーカーさんは、たったの1社。しかも、未来のスポーツ産業への提案とは違ったものでした。これではいけません。スポーツ用品業界の感度が鈍すぎます。

家電や映像企業やIT関連企業が先端スポーツ用品を開発してくれているのはとてもありがたいことです。しかし、一方では家電企業やIT企業にスポーツに関する高度な知見やデータが十分にあるとは思えません。その点では、スポーツメーカーさんの方が、はるかに優れています。

それならば、先端技術を持った企業とスポーツメーカーさんが手を組めばどうでしょう。さらに優れた商品を作ることが出来るのではないでしょうか。はるかに競技者に役に立つ商品や、スポーツ観戦者がわくわくする商品が開発できると思うのです。

しかも、スポーツ用品業界には、スポーツショップという受け皿があります。スポーツに詳しい人たちが、そこには居るのです。つまり、スポーツ用品業界には家電売場で販売する商品ではなく、スポーツショップで販売できる商品を開発できる能力があります。それなのに、このままぼんやりとしていたら、市場を家電業界にとられてしまうことにならないでしょうか。

CESの「スポーツ・ゾーン」のことを知って、これはちょっと大変だと感じました。逆に言えば、スポーツ用品業界やスポーツショップにとっては、一つのチャンスなのではないでしょうか。

■今日のツボ■

  • 米国では先端的なスポーツ用品が家電として開発されている
  • 日本のスポーツメーカーは他業界の先端企業と手を組むべき
  • スポーツ家電は、スポーツ業界にとって一つのチャンスとなる

image by: Shutterstcok.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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