なぜプーチンは今「前提条件なしの平和条約」を提案したのか?

 

というわけで、アメリカとロシアは広義にみれば戦争中」。こんな状況で、日本に領土を返し、「米軍にこられたら、たまったもんじゃない!」というのが、プーチンやロシア政府高官の本音なのです。

安倍総理が、「今やらないで、いつやるんですか!」といった。柔道家プーチンは、その言葉を逆手にとり、その言葉のエネルギーを利用して、「そうだ! 今、平和条約を締結しよう! 年内に、領土問題は、棚上げしたままで、平和条約を結んでしまおう!」という意味のことをいった。領土問題棚上げなら米軍が北方領土に来るのを阻止できる。そして、平和条約を結び、戦争状態を終わらせることができる。

もちろん彼の頭の中に、こういうアイディアは元からあったことでしょう。しかし、その発言が飛び出したのは、米ロ戦争中なのに、安倍総理が、「平和条約を今やらずにいつやるのですか!」(ロシアからは、「はやく島返せ!」と聞こえる)といったからなのです。

では、日本はどうすればいいのか? あまり深刻にならず、「日本は、さらに、日ロ関係を発展させていきたい!」といい、一歩一歩関係を強固にさせていけばいい。

今回は、米ロ関係がどれほど悪化しているかについて触れました。日本にいたら、その緊張感は全然伝わってこないでしょう?これも、安倍総理が日米日ロ日韓日中関係を改善してくれたおかげです。2012年、民主党政権の最末期は、日米、日ロ、日韓、日中関係が、いずれも最悪だった。一日本国民として、心から安倍総理に感謝したいです。

image by: 首相官邸

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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