「改善」と「その場凌ぎ」の違いが分からぬ経営者が会社を潰す

 

とある建築関連の会社で、「最近、受注がメッキリ減ってしまった。なんとかしなければ…」と行き詰っていました。半年くらいして、その会社に行ってみると、「同業者が増えてきて、益々ヤバイ…」なんてことになっていて、窮地に追い込まれていました。「でも、半年前にちゃんとした手を打っていれば、周りに新参が増えたところで、別にどうってことなかったんじゃないですか?」なんてことを尋ねてみると…、「営業マンも増員しましたし、お得意先周りも、徹底しました。他社より価格も下げてなんとか乗り切りました」と応えてくれました。

確かに、策を講じたことになるのかも知れませんが、それはあくまで「その場凌ぎ」に過ぎず、手を打っていないと同じことなのです。結局は営業マンの数を増やし、価格競争の渦に自ら飛び込むなどしてその場は凌げた、だけに過ぎません。

要は、半年前…何も手を打っていなかったことになります。半年経って、周りに新参が増えて戦々恐々としてしまっているということは、何も変わっていない、ということなのです。つまり、その場だけで何とかなっても次にどんな脅威にさらされるかという注意や危機管理が散漫であったり、会社の変化、成長といったものにまで行き届かず、目の前にある事象だけを捉えているだけで、 完全に本来のあるべき姿を見失っているのです。「受注が減った」という経験を活かしきれていないのです。

と、このような話をすると、「うちはそんなことはない!」「俺は大丈夫だ」と思う人も多いと思いますが、結果的に、同じような憂いな目に会う、会社やお店は結構あったりします。勢いだけで上手く行っている会社やお店に多かったりします。

「今のままでは…変えていかないと…」「何とかしなくては…」。口ではいくらでも言えます。が、結局は何も取り組んでいないし、先送りにしてしまう。そして、行き詰った時に、はじめて気がつくのです。それでは、結局、何もやっていないのと同じことなのです。あるいは「とにかくなんとかしないと」という言葉を免罪符にして「その状況」を先送りしているだけ、逃避しているだけなのです。

なんとかしないと、というだけでなんとかなるはずもありません。なんとかしないと、と、その場凌ぎで何とかなったところで、その先、また同じようなことを繰り返すことになります。その場凌ぎではなく、ブレない先を見据えた準備・行動を普段からしておくことは、ほんとに大切です。行き詰ってからでは遅いのです。

■今日のまとめ

「その場凌ぎは所詮その場凌ぎ」

  • 現在抱えている課題点を抽出する
  • 上記で挙げた課題点を「その場凌ぎ」ではなく、抜本的に改善・改革していくには何をどうすべきか?考えノートに書き出す
  • 上記のことを社内のみんなで話し合い、実施計画を立てる

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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