子どもが皿洗いのお手伝いをしてくれた時に、その子に対して
「お皿を洗ってくれてありがとう。とってもうれしいよ」
と褒め言葉をかけたとします。褒め方をすこし変えてみましたが、どのように思われるでしょうか。
この褒め方だと、お手伝いをやってくれたという行為を、褒めて(認めて)いるので、自分の基準でその子自身を評価や査定をしていません。
先ほどの「とっても良い子だね」という褒め方は、「ヒト」に焦点を当てていましたが、この褒め方は、子どもが皿を洗うという行為自体に焦点を当てているので、ヒトから「コト」へ焦点を移していることになります。
また、「ありがとう。とってもうれしい」というのは、相手に共感し寄り添う姿勢を示しています。「あなたは、良い子」というような「あなた」を主語とした褒め言葉ではなく、「私は、とってもうれしい」などというように、「私」を主語とした褒め言葉は、相手を認めていることになります。皿洗いのお手伝いという事実を客観的に捉えて、子どもたちを認めていることになります。
褒めることと認めることを別にする考え方もありますが、ここでは、褒めることとしてまとめて考えてみました。
手段が目的化してしまうことがありますが、褒めること自体が目的にならないようにしていくことが必要だと思います。子どもたちの自信を育み、主体的に行動していくことができるようにしていくことが目的になるでしょうし、その目的のための1つの手段、手法として褒めることが重要になるのではないでしょうか。
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