アメリカ人は過去を「映画化」する。正義の味方・アメリカが、悪の権化・日本をやっつけたという自己肯定感がものすごく強い。自己肯定感があまりに低い日本とは対照的だ。これは間違いなく、戦後から今に続く「自虐史観」教育の結実だ、とアメリカ人に言われてしまった。著者は大学の授業で、「もし徴兵制度があって、あなたが徴兵されたらどうしますか」と学生たちに尋ねた。
殆どの男子大学生は「行かない」という。自分の意思と関係なく、行かなければならないのが徴兵制度だ。しかし、日本を守るためという理由でも、徴兵を拒否する。「北朝鮮が攻撃してきて、自分の家族の生命が危険に晒されるとしたらどうするか」と問うと「それでも戦わない」と答える。著者は心底驚いた。国も、町も、家族も守ろうという気概がなく「自分は平和主義者だ」と言う。
こういう考え方をする人はアメリカにもいるが、リアリティのない連中だ。武器を持った悪人が家に侵入してきたら、と聞くと「警察を呼びます」だと。武士とカウボーイは過去のものとなった、古き良きものはなくなったと著者は嘆く。白人、キリスト教信者、男らしさを大切にする著者のような人は、レイシスト、ファシストといわれなき批判をされ、攻撃されたのがオバマ時代だった。
著者はちょっと変わったアメリカ人で、「民主主義」は国の基軸にはならないと考える。国旗に忠誠を誓うより、人間に誓ったほうがいいのではないか。象徴だとしても国のトップが交代する際に、厳かに穏やかに譲位できるのは平和の表れだと思う、という皇室が大好きな人。翻ってアメリカは、文化や道徳がないと。だが日本は、グローバル化を勘違いしていると。