景気判断とアベノミクスと消費税増税
【東京】は1面トップのみだが、記者の解説が付いている。見出しを以下に。
- 景気 後退期入りか
- 1月動向 基調判断引き下げ
- 「戦後最長」に疑問符
- 消費増税に逆風も(解説)
uttiiの眼
1面記事の後段に注目すべき記述。「景気拡大は経済政策のアベノミクスをアピールする材料になることから、政権は神経質な反応を見せる」として、菅官房長官が会見で「景気は緩やかに回復している」という認識に変わりがないこと、また、消費税増税についてはリーマンショック級の問題が起こらない限りは予定通り実施するとの見解を繰り返したとする。
さらに、渥美龍太記者による解説は、このタイミングで景気に黄色信号が点ったことの意味を探っていて、「政権が予定する10月の消費税増税に逆風となる可能性も出てきた」と書いている。
景気がもし後退局面に入った場合、6年間も金融緩和を続けてきた政権には、景気を下支えする余力はなくなっている。金融緩和を続けても目標の物価上昇率2%には程遠く、財政問題も改善の兆しさえない現状では、支出の余地(財政出動のことだろう)は限られるからだ。また、春闘では経営側の賃上げ判断は厳しくなることが予想され、賃上げが不十分となれば内需にも悪影響が及ぶだろう。ますます、景気判断が悪化する可能性があるということだ。
思うに、その最中に、消費税が増税されると何が起こるのか。記者は、前回の「延期」があった2017年4月は世界経済が順調に拡大していた時期であり、安倍政権は増税の「最大の好機を逃した」と言われているらしい。与党の中から、今度も「延期論」が飛び出してくることだろう。
あとがき
以上、いかがでしたでしょうか。
どこも触れていないのですが、景気動向指数は、「統計不正問題」で揺れる例の厚労省「毎月勤労統計」から、一致指数には1つ(所定外労働時間指数)、遅行指数には2つ(「常用雇用指数」と「きまって支給する給与」)の指標を使っていたようです。その点はキチンと修正してもらわなければなりませんね。
image by: 首相官邸