本田宗一郎さんは自身を“ヒューマニスト”と言い、副社長であった藤沢武夫さんは自身を“ロマンチスト”だと言っており、期せずして、そこから「ホンダ」の価値観「The Power of Dreams」が生れ出でて“夢”と“若さ”を希求して「ホンダジェット」をすら飛ばす「企業文化」が受け継がれて行っています。
何故「価値観」なのか、それは人は「崇高なこと」を求めるからです。世界遺産の「ケルン大聖堂」は632年の歳月をかけて完成しました。スペインのサグラダファミリアは、144年をかけての完成予定です。「信仰」の力は、人をして壮大なことを成し遂げさせます。このことは、誰もが「建造物」として見ることができる事実です。
松下幸之助さんは「なすべきことをなす『勇気』と、人の声に私心なく耳を傾ける『謙虚』さがあれば“知恵”はこんこんと湧き出てくるものです」と言われています。そこには繋がりがあり“成果”を実現させるには“智恵”なくしては成し得ず、それを手に入れるには「勇気」と「謙虚」なくしてはなりません。
経営者が「謙虚」になるというのは並大抵でなく、それには「勇気」なくして起こり得ず、逆転するのですがそれこそがすべての「卓越する」ために必要な“智恵”を獲得するための根源的な“智恵”で。松下さんは「世の為、人の為になり、ひいては自分の為になるということをやったら、必ず成就します」と当然のことも言われています。
何度も繰り返していますように、企業が「卓越する」ためには「信念」となるものが必要であり「京セラの稲盛教」「パナソニックの松下教」「ホンダのホンダイズム」などで“優良企業”にはそれがあり、それに加えて従業員の“熱意”と“活力”を活かし支援するシステムを持ち得て一頭地群を抜く存在になります。
またドラッカーですが、「マジメントにできなければならないことは、学ぶことができる」「成果をあげる人のタイプなどというものは存在しないことに、かなり前に気づいた」と言っています。どうも人材には区別はあっても本来的な優劣はなく、企業が“卓越”するには個々の“能力”“長所”を活用することが“コツ”なのです。
image by: cowardlion / Shutterstock.com