Tポイントの離脱が止まらない。崖っぷちTSUTAYAの生き残る術

 

「T-SITE」の多彩な売り場展開

ツタヤというと、近年は本・映画・音楽といったコンテンツを中心に、豊かな生活を提案する「ライフスタイル型商業施設であるT-SITE」を中心に店舗開発を行ってきたが、CCC広報によれば、代官山(東京都渋谷区)、湘南(神奈川県藤沢市)、柏の葉(千葉県柏市)、枚方(大阪府枚方市)とオープンしてきて、2017年4月に、新しい商業施設「LECT」内に出店した広島(広島市西区)で打ち止めとなった。

立地によって、内容は異なるものの、食なら食をテーマに、本を中心とした売場が構成され、場合によってはテーマに関連した雑貨、アパレルなど多種多様なものを組み合わせて販売している。いずれも、店内にスターバックスコーヒーが出店。購入前の本を、コーヒーを飲みながら座り読みできる、「BOOK&CAFE」スタイルの実践である。本が好きな人にとっては、非常にありがたい店で、集客はどの店も好調と見受けられる。

16年5月にオープンした枚方T-SITEは、枚方市中心部の京阪・枚方市駅前にあり、近鉄百貨店枚方店跡に入居。9層の大型商業施設となっている。

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枚方市駅前は、CCCにとっても1983年3月にオープンした、ツタヤ1号店があった創業の場所でもあり、本店として位置づけられてきた。枚方市駅前店は、枚方T-SITEオープンにより移転したことになる。百貨店の跡地ということもあり、ファミリーを意識し、あらゆる世代が楽しめる店づくりを行っている。主な売場の配置は次のとおり。

地下1階には、食品スーパーの「北野エース」を中心としたフーズマーケットを配置。総菜・弁当の「イーズマート」、イートインスペースの他、青果、鮮魚、精肉の専門店も出店し、デパ地下までの高級感はないが、全般に日常の食を豊かにする品ぞろえとなっている。

1階は食マルシェと称して、飲食店テナントを配置。スターバックスコーヒーはもちろん、タピオカが女学生に人気の行列店「台湾甜商店」、自家醸造ワインとイタリアンのワイン食堂「フジマル食堂」、農園のパン工場をイメージしたベーカリー「ザ・グラウンズベイカー」などトレンドに沿った尖った店があり、蔦屋書店の料理本販売コーナーもこの階にある。2階は音楽CD、映画DVDを中心とした、TSUTAYAのレンタル・販売ショップを配置。3階は蔦屋書店の本、文具の販売が中心。この階にもスターバックスコーヒーがある。

4階は暮らしと美容がテーマ。アパレルと雑貨の「LEAF」、地場の鞄店「交野カバン」、地元の創業68年の老舗「向井化粧品店」などが入居する。5階は子どもと学びがテーマ。蔦屋書店の児童書コーナーがメインで、子供が潜って遊べるアーチをつくるなど、空間づくりに特筆するものがある

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その他、子供服「音」、写真館「サラハウス」、英会話の「イーオン」などが入居している。6階は三菱東京UFJ銀行、7階はりそな銀行が入居。8階はレストランフロアーで、和食「食のつむぎ 梅の花」、中華「京鼎樓」、イタリアン「ミール・トゥゲザー・ルーフ・テラス」、カフェ&バー「AuRA」と、お出かけ用の飲食店が並んでいる。

全般に食が重視され、大都市郊外の主婦、小さい子どものいるファミリー、食にこだわりのある中高年・シニア、学生にも、施設に来る動機になるショップがそつなく配置されている。大手銀行が2つも入っていて、お金を引き出す目的で来る機会をつくっているのも大きなポイントだ。

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