良い意味で予想を裏切る、NYのメディテーション(瞑想)教室体験

 

しばらくして、男性が部屋におじぎをして入ってきた。正面の線香のようなものやろうそくに火をつける。そして、私たちのほうを振り返ってさっと見渡し、「今日はろうそくは消しておこう」と言い、点けた火を手で消した。 そして、正面端に用意されたざぶとんに座り、そのすぐ横に置かれている丸く大きな鐘のようなものを、ゴーン…と軽く鳴らした。男性はまっすぐ前を見据えている。視線はどこを見るでもない、「空」(くう)を見ているような感じだ。これから始まるのかな?とわくわくしながら背筋を軽く伸ばして同じように「空」(くう)を見てみる。

数分経過。相変わらず男性は「空」(くう)を見ている。他の参加者もほとんど動かずじっと座っている。これってこのまま進むのかな?なんだか自分だけ置いてけぼりの気分に。 上述したBreatheやHeadspaceのアプリではたいがい音声ガイダンスが流れる。テーマごとにガイダンス内容は違うが、例えば、「Allow yourself to listen to the sounds around you」(周りの音を聞いてください)とか、「自分の吐く息に注目して、鼻から吸って~スゥ~~~~ハァ~~~」とか。よく使われる単語には、”Confidence”や”Positive”などがあり、メディテーションの音声ガイダンスを聴くだけでも心の平穏が保たれそうなものとなっているのだ。

こういったガイダンスはいつ来るのかなぁ~?とわくわくしながら待っていたけど、正面で私たちに向かって座っている男性は変わらず「空」(くう)を見ていた。ひとまず、「空」(くう)を見て集中しよう。 1点を見つめると集中できる。マラソンでも経験している。走っている少し先の道路をじっと見ながら走ると、いわゆる、マラソンハイという集中状態になる。マラソンハイの感覚を思い出しながら「空」(くう)を見つめる。そして、またしばし時間が経過。感覚的にはだいぶ時間が経った…ように感じた。

自然に近い姿でメディテーションするべきだと思っていたので、時計は外し、スマホもバッグに入れていた。時間がまったくわからなかった。でもこういうときは感覚的に経った時間の3分の1程度と考えたほうが良いので、おそらく7分ほどだったのだろう。 1時間のメディテーションだったので、60分中たったの7分。先が遠い…。相変わらず男性は微動だにせず「空」(くう)を見ている。もしかして、このメディテーションって何のガイダンスもないまま行うやつ?ようやく状況を把握。

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