なぜ日本では「スポーツで稼ぐことが不道徳」とされてきたのか?

 

■求められる人材

とはいえ、考えなければいけないことがあります。渋沢栄一は、次のようなことも言いました。

「正しい徳を身につけた人だけが良い経営者になれる。そして、得られた利益を社会の発展に活かしてこそ、会社の存在意義がある」

そうした経営者や企業でなければ、この出番にふさわしくはありません。

では、「正しい徳」とは何でしょう。「論語」にはいろいろな表現が出てきます。しかし突き詰めれば、それは「思いやりと誠実さ」ということです。決してむつかしいことではありません。

また、『論語と算盤』には利益に関してこう書いてあります。

「金はもともと無心である。善用されるのも悪用されるのもそれを使う者の心にある」

ですから、正しい心をもって正しい行いを心がけよということです。

さて、経営者のあなた。「徳」について考えていますか。「正しい行い」とはどんことかと考えているでしょうか。また、「社会のためになる企業」を目指していますか。決して自社の利益だけを追求してはいけません。

どうしたら利益を社会に還元できるでしょうか。こうした考えが、スポーツ産業を成長させるために必要なことです。

今求められる人材は、スポーツ業界、スポーツ産業はもとより日本や世界のためになることを考えられる人ではないかと思います。これがまさに「スポーツと算盤」です。そんなことを『論語と算盤』から教えられました。

■今日のツボ■

・「論語と算盤」は、道徳と商売の両立を唱えている
・スポーツ産業も「算盤」が求められるようになった
・スポーツ用品業界には「算盤」に役立つ人材が多くいる

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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