自民党議員の新型肺炎「憲法改正の大きな実験台」発言に怒りの声

2020.01.31
by MAG2NEWS編集部 NK
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WHO(世界保健機関)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当すると宣言した新型肺炎を、感染症法に基づく「指定感染症」とする政令を2月1日に施行すると安倍首相が表明したとNHK毎日新聞などが報じた。また、新型肺炎が国内でも感染が拡大していることについて、自民党の伊吹文明元衆院議長は30日、「緊急事態のひとつの例。憲法改正の大きな実験台と考えた方がいいかもしれない」と話した。国民の命に関わる非常に重大な問題であるにも関わらず、「大きな実験台」と発言したことに、ネット上には批判の声があがっている。



何の「実験台」になる?

伊吹文明元衆院議長が述べたのは、自民党がまとめた改憲四項目のひとつである「緊急事態条項」の導入のこと。これは、大規模災害時に国民の権利の制限を認めるという内容である。「指定感染症」の施行日までは強制入院などの対応ができず、強制措置が取れないことから、「大きな実験台」として憲法を変えるべきだ、とした。これに対して共産党の小池晃書記局長は、政令施行後は一定の行動制限ができることから「憲法を変えないと対策ができないというのは筋違いの暴論だ」と批判した。

指定感染症とは?

指定感染症は、都道府県知事から患者に医療機関への入院を勧告し、従わない場合は強制的に入院させることができる。指定の期間は原則1年間で、最大1年間延長することが可能だ。他にも、感染が疑われる人が見つかった場合、法律に基づいて検査や診察、一定期間の健康状態の報告を指示することができる。これらに従わない場合は、罰則を課せられる。これまでに指定感染症とされたのは、「SARS」、「H7N9型の鳥インフルエンザ」、「MERS」など。

感染者は入国拒否

安倍首相は衆院予算委員会で、日本に入国しようとする人が感染症である場合には、入国を拒否することを述べた。また、感染が確認されない場合でも、「入国管理を強化すべく、運用について速やかに検討する」とした。すでに日本国内でも14名の発症が確認されており、もはや感染拡大は免れられない状況。あまりに遅すぎる日本の対応に不安が積もるばかりだ。

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