J2、J3開幕間近。昇格争いに影響する「遅れてきた」移籍選手情報

 

異色の経歴、MF古賀俊が山口入り

山口は2月10日(月)にベテランのMF武岡(甲府)と若手のMF古賀俊(FKアウダ)の獲得を発表した。両選手ともキャンプには参加していたと思うが「練習生として参加させて状態や能力を確認してから獲得にGoサインが出た」と思われる。MF古賀俊は異色の経歴を持っている。中学までは東京Vの下部組織だったが高校年代はレスターのユースになる。まだ21歳なのでノビシロもありそうだ。海外でプレーしていたが霜田監督は日本サッカー協会にいたので「そういう選手がいる」ということは情報として持っていたと思われる。

またしても「霜田監督の人脈を生かした補強」になるが年齢が上がるにつれて日本人が海外でプレーし続けるのは難しくなる。慣れた環境である日本に戻ってきて再チャレンジするのも全く悪くない話である。「逆輸入選手がJリーグで活躍する確率」は決して高くないがFW河田(徳島)やDF西谷優(栃木SC)など成功例もいくつかある。15歳のときに日本を飛び出しているので日本復帰ならびに山口入りに対しては「相当な覚悟」が必要だったと思うが海外でいい経験を積んでいたことをJ2のピッチで証明したいところである。

2月に入って外国籍選手獲得の愛媛と水戸

MF神谷とMF近藤貴とMF下川陽が抜けたものの穴を埋める補強があまり出来なかった愛媛FCは2月7日(金)にスペイン人のMFシシーニョ(徳島)の獲得を発表した。2017年はFC岐阜、2018年は徳島で主力として活躍した実績がある。2019年は怪我の影響でわずか1試合の出場のみ。徳島との契約が満了になったがライバルの愛媛FCに加入することになった。徳島と愛媛FCの両方でプレーした経験のあるJリーガーはそこまで多くないと思うが近年ではMF小島秀(千葉)やMF小暮(愛媛FC)やMF表原(徳島)などがいる。

愛媛FCのようなクラブにとってMFシシーニョの獲得はギャンブルである。選手をたくさん抱える余裕のないクラブなので「能力的には少し劣っていてもタフで元気な選手」が重宝される。逆に「能力は高いが怪我がちで計算しにくい選手」は敬遠されがちである。リスク覚悟で後者の選手を格安価格で獲得するのもある程度は必要と言えるがなかなか難しい。彼も練習に参加して状態をチェックした上で本契約になっていると思うが「大きな賭け」である。2017年や2018年のような活躍が出来ると愛媛FCは面白いチームになる。

FW中山仁、FW村田航、FW山谷がいるものの、やはり、フォワードが手薄だった水戸は2月13日(木)にFWアレフ・ピットブル(ベルソSC)を獲得した。180センチのストライカー。動画を見る限りでは「ゴール前で仕事が出来る典型的なストライカー」である。パワフルな選手なのでいい選手を獲得できたと言える。登録名は「アレフ・ピットブル」になったがオウム真理教の起こした騒動から25年ほどが経過しているので「アレフ」と聞いてオウム真理教を思い出す人はそこまで多くないのだろう。「ピットブル」という登録名でも良かったように感じる。

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