封じられた「ふれあい」。支援の現場で感じる新型ウイルスの影響

 

もちろん、これは対男性にだけの行為であり、女性には距離を保ちつつ紳士的な態度での「ふれあい」(ふれあわなくても)を心がけている。そして、新型コロナウイルスの出現でこれら「ふれあい」が封じられるのは、感情表現の一部を封印されたようなものとなる。

政府が発表した小中学校で突然の休み宣言には、戸惑いも多いだろう。学校は究極のふれあいの場所であり、その意味のなさそうなふれあい行動は多くの動物にも見られる遊びの中にある生活訓練の一部だ。

学校は学問だけではなく、体を通じたコミュニケーションにより社会性を身に着ける極めて重要な場所だから、その場を奪ってしまうのは重大な決断である。障害者の学び、を推進する立場としては、学校だから命を守れるのではないか、とも思う。

戦後に青空学校から戦災復興が始まったと教科書で教えられた。学校は、東日本大震災では地域の避難所となり、そこから人びとの生活再建が始まった。

地域の学校は子供たちだけではなく地域の命をも育む場所であり、そこは国家がコントロールできる領域である。そのコントロールを休校で済ますのではなく、学校が育む命を守るためには、まだまだやることがたくさんあるはずである、と思う。

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特別支援教育が必要な方への学びの場である「法定外シャローム大学」や就労移行支援事業所を舞台にしながら、社会にケアの概念を広めるメディアの再定義を目指す思いで、世の中をやさしい視点で描きます。誰もが気持よくなれるやさしいジャーナリスムを模索します。

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