新型コロナウイルスの感染が拡大する中、函館市の高校2年生、加藤周さん(16)が、iPhoneに行動履歴を自動的に記録できる無料アプリ「足あとトラッカー」を開発した。行動履歴が一目でわかるため、濃厚接触者の捕捉や感染経路の特定などに活用できるかもしれないと期待が寄せられている。
自分の感染経路(行動履歴)が分かるアプリを作ってみた。
8割もいる感染経路不明を少しでも減らせるはず。
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— しゅう@N高生プログラマー (@syusan31) April 13, 2020
感染経路が特定できるアプリ
新型コロナウイルス拡大防止の大きな障害となっているのが、感染経路不明者が多いこと。感染者が過去の行動を詳細に記憶してないため、保健所などの聞き取り調査が難航。そこから感染者が増えていくことが問題となっている。
その現状を受け、加藤さんは「感染経路がわかっていないと、濃厚接触者がわからなかったり、さらに感染が拡大していく可能性がある。この問題に自分が力を貸してアプリを作っていかないとと考え、新型コロナウイルス向けのアプリがあったらいいと思い作りました」とアプリ開発の動機を語っている。
加藤周さんが開発した「足あとトラッカー」は、スマートフォンの全地球測位システム(GPS)機能を使って10メートルごとの位置情報と1分単位の滞在時刻が記録されるアプリ。個人情報保護にも配慮し、行動履歴を保存するのはアプリをダウンロードした端末のみ。アプリを閉じていても位置情報を確認できれば自動的に記録し続けるという。
アプリは10日にアップル社の「アップルストア」で公開され、16日午前までダウンロードは約1700件に上り、加藤さんのツイッターに感謝や応援の声が寄せられている。
加藤さんは高校生プログラマー
現在、通信制高校「N高校」(沖縄県)に在学中の加藤さんは、両親のすすめで小学4年の頃からプログラミングを勉強し、アプリ開発に興味を持ったという。017年には17歳以下のプログラマーを支援する事業「未踏ジュニア」で優れた能力を持つ「スーパークリエーター」に認定されるなど、これまで多くのコンテストで賞を獲得。20~30個のアプリをすでに開発し、13個がアップルストアで公開されている。