コロナ患者を受け入れている病院が苦しんでいる。先日、東京女子医大(東京)で「夏季一時金を支給しない」としたところ、400人を超える看護師から退職希望の声が上がったと伝えられたが、その波は他の病院にも波及している。千葉県にある船橋二和病院が10日、ストライキを決行した。
ストライキで叫ばれる悲痛な声
船橋二和病院の労働組合はストライキ当日の朝7時半、ビラ巻き行動から始まった。ストに立ったのは医師や看護師など8名。船橋市庁舎や病院前、千葉県庁などを移動しながら抗議活動を行った。「スト決行中」という白いゼッケンをつけて街頭を歩きながら、ビラを撒いて訴えた。
船橋二和病院ではコロナ患者を受け入れ、感染リスクと隣り合わせで医療業務に従事したものの、夏のボーナスは過去最低の0.9ヶ月だったという。
さっき知ったんですが、千葉県の船橋二和病院の労組がストライキをしたみたいですね
昨冬ボーナスが過去最低の1.0ヶ月で、春までに70人が退職
残った職員でコロナの対応も含めて必死に働いたのに、夏のボーナスは過去最低更新の0.9ヶ月
国が何らかの補償をしないと、他の病院でもストが起きると思う pic.twitter.com/YHSzqNxSja
— イソジン🍆 (@beautygal_wa) July 12, 2020
船橋二和病院労組ストしたんだ……そうかついに医療現場も我慢できなくなったんだ。
— こじゅ (@kojulyn) July 12, 2020
🙋♂️賛成
ストライキを「迷惑」と受け止める風潮こそ問題です
使用者側はそれを利用してストをつぶそうとしてきますが
法で認められた労働三権のひとつなのですから船橋二和病院の皆さんには自信を持って頑張ってほしいものです https://t.co/vjLJgzesQD— dota-bata (@dotabata3) July 12, 2020
コロナ患者を受け入れた船橋二和病院での一時金超低額回答に対する労組のストライキ
「なんで私たちのボーナスで埋めないといけないのか」
「給料が減ると辞める。辞めると医療が縮小する。だからストなんです。ストやりたいわけでなく。」
— 友利ふう (@fukumega1) July 12, 2020
船橋二和病院は民医連系の病院で、元々労組活動が盛んで、経営者側もその活動を認めている珍しい病院。
このストの狙いは世論への訴えかけ。
病院経営難の根底にある診療報酬減算への訴えかけ。
コロナ禍に晒されている医療機関やスタッフへの保証の訴えかけ。経営者側も思惑は汲んでいると思われる https://t.co/1nRDy31yAM
— SCP-にゃご 餅息子3しゃい+1しゃい弟氏 (@nikukyu_nyago) July 12, 2020
コロナ患者を受け入れている病院のほとんどが赤字経営
船橋二和病院の労働組合で行われたストライキ。今回はこの病院でストが起きたが、全国の他の病院でも同じようなことが起きかねない。
今、医療施設の経営破綻が懸念されている。コロナ感染者を受け入れ、多忙を極めているにもかかわらず、ほとんどの病院は赤字経営なのだ。
NHKによると、「看護師などのことしの夏のボーナスを去年よりも引き下げた医療機関が、およそ3割に上ることがわかった」と伝えている。新型コロナウイルスの影響で受診を控える動きが広がり、経営が悪化していることが原因だ。
感染疑い患者については国の補償があるものの、一般外来患者の減少は補償の対象にならない。経営体制を見直し、医師らとの雇用契約を打ち切る病院も出てくるなど、新型コロナに最前線で戦っている医療従事者たちがどんどん不幸になっていく。
コロナ感染者が連日増えている中、医療従事者たちの存在はさらに重要になってくる。今こそ国の早急な対応が求められている。
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source:船橋二和病院労働組合、NHK
image by : 船橋二和病院労働組合